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  • 養殖するヤイトハタを本格的に海外初出荷
  • 出荷から2日後にシンガポールの食卓に並ぶ
  • 国内の魚離れを想定しアジア圏へ販路

 【石垣】八重山漁協(石垣市)が養殖する高級魚ヤイトハタ(アーラミーバイ)をシンガポールに出荷する取り組みが始まっている。ANAカーゴが週6便運航する那覇-シンガポール線を活用し、出荷から2日後にはシンガポールの食卓に並ぶ。養殖魚の本格的な海外出荷は初めて。漁業者は魚離れから国内需要の頭打ちを想定し「アジア圏など海外への販路拡大を目指したい」と力を込めている。

シンガポールに出荷するヤイトハタの箱詰めに追われる八重山漁協の職員=石垣市新栄町、同漁協

(新崎哲史)

 ヤイトハタ出荷は、流通と観光誘客に取り組むアンカーリングジャパン(那覇市、中村圭一郎代表)が航空輸送運賃を補助する県の沖縄国際航空物流ハブ活用推進事業を活用し、現地の旧正月の需要から11~16日の6日間で計2・4トンを送り出す。昨年のヤイトハタの全出荷量は約32トン。年間の7・5%に当たる量を海外に出す。

 ヤイトハタは中華系の人に人気の高級魚で、1匹丸ごとを煮付けなどで食べるのが好まれている。国内出荷は2~2・5キロが目安だが、シンガポールでは1キロ前後が「若い魚」として高値が付く。

 同漁協ヤイトハタ生産部会の与那嶺馨部会長は「1キロで出荷するのは初めて。養殖期間が短くなり、軽くなる分、労働力軽減にもなる。国内と比べ値段が割に合うかも見極めたい」と評価。その上で「現在は鍋物など国内需要で出荷できているが、若者の魚離れが進めば状況は変わる。アジアの需要は高いと聞くので、海外向けに計画的な養殖を進めたい」と新規販路に期待を込めた。

 アンカーリングジャパンはシンガポールの飲食店でヤイトハタ料理の提供と共に石垣島や沖縄の観光アピールも展開していく予定。同社の後藤大輔取締役は「おいしい魚を食べ、沖縄にも行こうという流れをつくりたい。鮮魚だけでなく県産野菜や肉などにも広げ、地域活性化にも貢献したい」と意気込みを語った。