「クレーマー」や「モンスター障がい者」という批判がインターネット上で出ていることに驚いた。鹿児島県の奄美空港で格安航空会社(LCC)のバニラ・エアを利用した車いすの男性が6月、階段式タラップを腕ではい上がって搭乗したことへの反応だ

▼「歩けない人は乗れない」とする会社側に、身をていして改善を促すのは「クレーマー」だろうか。何より、男性に非難の矛先が向けられる理由は、社内規定に従い、男性が「事前連絡」していなかった点が大きい。「ルールを守れ」というものだ

▼事前に連絡して話し合えばいいではないかという指摘は一見、正しく思えるが、果たしてどうだったか。同社は全国紙の取材に「搭乗をお断りしていた」と答えている。結局、搭乗可否の「ルール」に沿って乗れなかったわけだ

▼現状に疑問を持ち、異議を唱えることがネットを中心に“炎上”するようになったのはいつからだろう。もちろん、その異議が的外れなら批判されて当然だ

▼しかし、ルール自体がおかしい場合、変えるには声を上げるしかない。現状を良しとする人が多ければ多いほど、声高に、そして耳目を集める方法を取らざるを得ない

▼こう書いていって、ふと考えさせられる。米軍基地を巡る日米合意という「ルール」の見直しを求め続けている沖縄も同じだ、と。(西江昭吾)