「自分たちは市長のために働いているんじゃない。市民のために仕事をしているんだ」。那覇市を担当していたころ、懇談の席で、ほろ酔いの職員や議員から決まって出たせりふだ

▼「市民のため」。この言葉の重要さを皆が共有していることが分かったし、大切な意識として心に深く残った

▼議員の不祥事が全国で相次いでいる。地方議会では富山市議の政務活動費不正が記憶に新しい。領収書を偽造したり、茶菓子代を水増し請求するなどして、14人が辞職した。県内では、2013年に公費で県外視察中、当時の糸満市議4人がゴルフをしていたことが発覚し、百条委員会が設置されている。「市民のため」がどこかへ吹き飛び、「自分のため」になった結果だ

▼あす投開票される那覇市議選には定数の40議席に67人が名乗りを上げている。選挙公報を見ると、子育て支援の充実や子どもの貧困対策を公約に掲げる候補者が多い

▼例えば待機児童の解消。保育園に入れるかどうかは、働く親にとって死活問題だ。ニーズと市の計画のミスマッチも指摘され、優先的に取り組まなければならない課題の一つだ

▼困っている市民がいる。その声をすくい上げ、具体的に何をするか。「すべては市民のため」。その一点に向かって駆け回る覚悟がある候補者を見極め、一票を投じたい。(高崎園子)