【解説】9日投開票の那覇市議会議員選挙は、城間幹子市政を支持する与党が過半数には及ばなかった。就任後初の市議選で与党が過半数を獲得できなかったことは、城間市政に厳しい評価が下されたともいえる。与党が議席を減らし、野党・中立からの攻勢は激しくなることが予想され、城間市長は厳しい市政運営が迫られる。(社会部・松田麗香)

一票を投じる有権者=9日午後、那覇市役所

 与党が過半数を得られず、「名護市辺野古の新基地建設反対」などを掲げて保守の一部と革新勢力が連携する「オール沖縄」勢力への打撃になった。来年の那覇市長選や沖縄県知事選で、最大の人口を掲げる県都・那覇市の動向が情勢を大きく左右する。城間市長や翁長雄志知事を擁立した「オール沖縄」勢力は戦略の見直しが必至だ。

 与党側は、共産が新人3人の計7人を擁立し、7人が当選。多くの政党が現職に候補者を絞り、組織票を固めた。

 一方、来年11月の知事選や市長選を見据えて党勢拡大を狙った野党の自民は、現職4人のほか、新人9人、前職1人の計14人を擁立。7人が当選した。

 与党勢力の後退で、野党、中立の間で、重要案件での対立の激化が予想される。議長選出を始め、中立派がキャスチングボートを握る場面が多くなりそうだ。

 投票率は前回の60・14%を8・94ポイント下回る51・20%で、補選を除き戦後最低を記録した。平成に入って最多の67人が立候補したが、選挙戦は盛り上がりを欠き、市民の関心を高めることができなかった。

 多くの候補が子育て支援や待機児童対策を公約に掲げ、支持を訴えた。市の緊急の課題だが、具体的な提案が少なく、有権者に明確な選択肢が示されたとはいえない。

 市にはそのほかにも、市街地の活性化や国保赤字の解消など多くの課題が山積する。与野党・中立を問わず「行政の監視役」として議会が担う責任は大きい。

 市民の声をくみ取った活発な政策論争で、課題解決に向けた方向性を見いだすことが責務だ。