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  • 観光客の爆発的増加が見込まれる伊良部島
  • 漁師メシやかつおぶし工場見学などを企画
  • 宮古は5島が橋で結ばれ、一体となって整備を進める

 2014年度の入域観光客数が過去最多となる見通しの宮古島市で、さらなる誘客の起爆剤として期待を集める伊良部大橋が1月末に開通した。伊良部島を訪れる旅行者の爆発的な増加が見込まれる一方、観光地の整備遅れを指摘する声も。関係者は伊良部島での“素通り観光”を避けるための対策を講じようと躍起だ。(宮古支局・新垣亮)

伊良部大橋開通後、伊良部島と宮古島を行き来する車両。レンタカーや観光バスも多く見られる

 市の本年度の入域観光客数は1月末現在、34万9392人。順調に進めば過去最高だった12年度(41万3654人)を超える勢いだ。宮古島観光協会によると、これまで約40万人のうち、5分の1に当たる8万人程度が伊良部島に定期船で入って観光を楽しんでいたという。同協会は大橋開通で約40万人の観光客のほとんどが伊良部島へ渡り、観光客が爆発的に増えると予測している。

 大橋開通に寄せる県外旅行社の関心は以前から高かった。開通6日前に開催されたウオーキング大会にはツアー団体客700人が参加した。開通後も高い透明度を誇る渡口の浜や、通り池などには多くの観光客や宮古島からの住民で、にぎわいを見せている。伊良部島のゴルフ場も予約で埋まるほどだという。

 市は一括交付金を活用し、伊良部、下地島の主要観光スポット11カ所に日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語で表記された観光案内板を設置するなどし、観光地としての整備は着々と進む。

 一方で、観光客が使用するトイレの数や、観光スポットに至るまでの道路整備などが追いついていない、という関係者の指摘もある。交通網整備により「ヒト・カネ・モノ」が求心力の強い経済圏に流れ、地域が廃れる「ストロー効果」と呼ばれる現象への懸念もある。

 そんな中、伊良部島の“素通り観光”を防ぐため、さまざまな取り組みがすでに始まっている。これまで島の玄関口だった佐良浜港にある伊良部漁協は、「伊良部・佐良浜の魅力を広く発信したい」と大橋開通の翌日から3日間、宮古島観光協会とともに「大漁祭り」を開催した。

 「漁師メシ」を提供したり、かつおぶし工場の見学、佐良浜地区の散策ツアーなどを実施。参加者からアンケートを募り、今後の島の魅力発信に向けた展開に生かす方針だ。

 伊良部大橋の開通で、宮古島は周辺5島が橋でつながった。観光施策もさらに市域一体となったものが求められる。宮古島観光協会の池間隆守専務理事は「観光施設の充実など官民一体となった取り組みをさらに進めていきたい」とした上で、「伊良部島がホスピタリティーあふれる良いイメージを発信していくことが今後大事だ」と話す。