寒空の下、一日の仕事を終えた人たちが集まってくる。うるま市赤道出身の教育者で沖縄民政府知事の半生を描く区民劇「志喜屋孝信物語」を、22日に市民芸術劇場で上演するのを前に赤道公民館で、区民が熱心に稽古を重ねている

 ▼7月から週に3回、約8カ月練習を続けてきた。全員素人だが、長いせりふもしっかり、こなしている。小道具や大道具も区民で準備。劇で50人余、その前の古典音楽や舞踊で70人余が出演、裏方も合わせれば約170人が舞台にかかわるという

 ▼うるま市では、地域の伝統芸能の掘り起こしと復活・継承、地域活性化を目指して「ふるさと芸能デー」を各区持ち回りで開催している。今回の劇もその一環

 ▼赤道区自治会長の宮里賢昭さんは「数多くの人が、かかわることに意義がある」と話す。よそから移り住んだ人や若い人を地域の活動に巻き込むきっかけになるとみる

 ▼実際、準備に参加する中で「自分のことを知ってもらえ、周囲の人を知ることができた」と語る人もいたという。確実に一体感が強まっている

 ▼創造することの楽しさと難しさを一緒に体験し、互いに協力できる人間関係を築くことが大事なのだろう。地道で手間のかかる取り組みだけれど、舞台づくりが、これからどんな地域づくりにつながっていくのか楽しみだ。(安里真己)