【東京】沖縄戦の犠牲者の遺骨を収集し、遺族へ返す活動をしている「ガマフヤー」の具志堅隆松代表らは12日、国会内で厚生労働省の担当者に、遺骨の身元特定に向けてDNA鑑定を希望する遺族135人、戦没者169人分の名簿を提出した。厚労省が月内に鑑定の応募を呼び掛けるのに先駆け、死亡場所などの記録で選別せず、希望者全員が鑑定を受けられるよう要請した。

希望者全員のDNA鑑定を、厚労省の吉田和郎事業課長に要請したガマフヤーの具志堅隆松代表(前列右)ら=12日、東京都・産院議員会館

 集団申請は初めて。厚労省は昨年度、これまでに収集されDNAの抽出が済んでいた4地域の75検体について、部隊記録を基に遺族1736人に鑑定を呼び掛けた。その結果、301人が鑑定に応じたが、身元が特定された遺骨はなかった。

 対象が事実上、軍人・軍属に限られていたため、厚労省は本年度、県と協力して、民間人の遺族も含めてDNA鑑定希望者を募る。鑑定対象となる検体は、昨年度の4地域から10地域に拡大。鑑定の精度を高めるため、遺族には遺骨との関連を示すような情報を求める。

 一方、沖縄戦で巻き込まれた住民はいつ、どこで亡くなったか、遺族でも分からないケースが多く、具志堅代表は「希望する遺族は全部受け入れて鑑定してほしい」と要望した。

 対応した吉田和郎事業課長は「何か証拠がなければ申請を受け付けないということではない。遺族側で持っている情報を幅広く寄せてもらい、鑑定の参考にしたい」と説明した。

 要請には県内外の遺族3人も同席。希望者全員の鑑定のほか、(1)仮安置所にある全ての遺骨の鑑定(2)国際基準に沿った鑑定体制の構築(3)鑑定募集の広報を遺族に分かりやすい方法で実施する-ことを求めた。