夢の聖地まであと2勝-。高校野球の第99回全国選手権沖縄大会は15日に沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行う。4強入りした糸満、興南、八重山農林、美来工科が夏の甲子園出場を懸けて熱戦を繰り広げる。決勝は同球場で16日午後1時開始予定。

高校野球沖縄大会準決勝に進出した4強校の選手たち

投打で活躍する興南の上原麗男

快進撃を続けるチームをけん引する八重農の登野城吉紘

美来工の不動のエース山内慧

好リードで投手陣を引っ張る糸満の金城憲貴

高校野球沖縄大会準決勝に進出した4強校の選手たち 投打で活躍する興南の上原麗男 快進撃を続けるチームをけん引する八重農の登野城吉紘 美来工の不動のエース山内慧 好リードで投手陣を引っ張る糸満の金城憲貴

 第1試合は第4シードの興南と2年ぶりの決勝進出を狙う糸満。第2試合は初の4強進出を決めた八重農と第3シードの美来工がぶつかる。

 3回戦までにシード校すべてが敗れた昨年と違い、今大会は2校が残り、シード校の意地を見せている。しかし、接戦を勝ち上がってきた4校の力はどれも本物だ。実力は拮抗(きっこう)しており、準決勝も激戦が予想される。各校のこれまでの戦いぶりや戦力、キーマンを紹介する。

糸満VS興南 第1試合の見どころ

 糸満は伝統の機動力で第1シード沖縄尚学を倒して4強入りと、勢いがある。対する興南は相手に惑わされず、自分たちの野球を貫けば勝ちが見えてくる。

 糸満のチーム防御率は0・50と安定しているが、全4試合で計5失策の守備が気がかり。終盤に加点してきた粘りで、興南投手陣を攻略できるか。興南は残塁23と4チームの中で最も低く、得点圏に走者を置いてからの打線のつながりは頭一つ抜けている。堅実な野球で勝機をつかみたい。

<糸満>機動力と粘り成長 全試合で終盤に加点

 足を絡めた機動力と終盤の勝負強さが光る糸満は2年ぶり12度目のベスト4入り。チーム防御率は0・50と4強の中で最も手堅い。守りからリズムをつかみ、少ない好機を生かすスタイルで虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う。

 投手陣の柱は3年生右腕の山城智紀。3試合に登板し1、2回戦は完投。これまで23回を投げ自責点2、防御率0・78。さらに3回戦で完投した神谷祐真、準々決勝で先発した下地俊輔も無失点に抑えており、3投手とも安定している。

 糸満の強さを印象づけたのは第1シードの沖縄尚学を破った準々決勝。1-2で迎えた終盤八回にスクイズと相手の隙を突いて重盗を仕掛け、瞬く間に逆転。機動力の高さを示した。 また全試合で終盤に加点しており、最後まであきらめない勝負強さも光る。

 「落ち着いて守れるようになり、一戦一戦勝つごとに成長している」と真玉橋治監督。「興南は横綱。チャレンジャー精神でぶつかるのみ」と、気負わず「糸満らしさ」に徹する。

<糸満のキーマン>捕手の金城 好リード

 チームの要は、捕手の金城憲貴。真玉橋治監督は「相手打者に合わせてしっかり配球を組み立てられる」と4試合で自責点2に抑えてきた好リードを高く評価する。

 一方の打撃は16打数4安打と物足りない印象だが、指揮官は「当たりは悪くない。準決勝以降は打ってくれると期待している」と信頼は揺るがない。

 投手陣に低めを軸にした投球を要求しているという金城は「ピッチャーの調子も上向き」と手応えを語る。自身が4番を打つ打線の方も「悲観はしていない」ときっぱり。興南戦を前に「粘り強く試合を進める」と気合十分だ。

<興南>層厚い投手陣が魅力

 「泥臭い野球」がいまの興南の持ち味だ。派手なプレーはないが、走者が出ると着実に送り、本塁に帰す。基本を徹底してたたき込まれてきた。チーム打率は3割8厘だが、全試合を通して失策はわずか一つ。我喜屋優監督は「地道に基礎から固め、堅い野球ができている」とうなずく。

 4強入りの要となったのは、層の厚い投手陣だ。ここまでエース左腕の川満大翔と秋まで背番号1をまとった上原麗男が先発。さらに中学時代にU15侍ジャパン入りした1年生左腕の宮城大弥も全4試合で12回2/3を投げ、9安打20奪三振と好調だ。失点4は八重山農林と並んで4強最少と安定し、盤石の布陣を誇る。

 互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら腕を振り続けてきた。川満は試合を重ねるごとに球速が増したといい「自分以外にもいい投手がそろっている。初回からしっかり飛ばしていける」と信頼を力にする。福元信馬主将は「できることをしっかりやれば、結果はついてくる。泥臭い野球で勝つ」と2年ぶりの頂点を狙う。

<興南のキーマン>投打で躍動 上原が柱

 チームを支えるのは3番の上原麗男。打率5割を誇り、初登板した準々決勝の宮古戦は6回1/3を投げて4安打無失点。「どんな時も無意識に試合をイメージしている。決勝の最終回で投げて最後は三振で終わったりとか-」。夏制覇に向け、胸を高鳴らせている。

 全4試合で12打数6安打を放ったが、自己採点は75点。「つなぐべき場面で打たないと。最低でも進塁させること」と誓う。

 投げては春の準々決勝以来の登板となった宮古戦で「試合での感覚も取り戻せた」と力強い。「目標は甲子園での勝利。泥臭く、勝ちにこだわる」と闘志をみなぎらせた。

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