【小橋川慧通信員】南條喜久子バレエ研究所で学んだ國場めぐみさん(26)は、さらなる飛躍を期して2009年、「スクール オブ トロント ダンスシアター」(TDTスクール)に入学、コンテンポラリー(現代)ダンスのプロ養成プログラムにフルタイムの学生として登録した。 

2014年最優秀賞にノミネートされた作品「Eleven Accords」の一場面。國場めぐみさん(中央左)とJ・Siddallさん(中央)を中心としたTDTカンパニーのメンバー(Guntar Kravisさん提供)

 TDTスクールの3年間は、芸術一般への理解を深め、いろいろな踊り手や作品に触れ、芸術性を育んだ。また、体の全てを使って表現するための地道な「体づくり」、その訓練を連日繰り返す「忍耐力」、「これがプロとして生き残る条件だった」と授業料免除の好成績だった國場さんは語った。

 現在國場さんは、カナダで最先端といわれる「トロント ダンスシアター」(TDT)の専属ダンサーだが、道は平たんではなかった。TDTには研修生のポストがある。規則に「市民権保持者に限る」とあるが、「私の存在をTDTカンパニーに印象付ける意味で」学生時代、毎年研修生選抜テストを受けた。

 卒業後はTDTスクールの教育助手、時にはダンスと無関係なアルバイトもしてトロント滞在を継続。そんなある日、TDTから「(主要公演の)リハーサルにすぐ来られるか」と電話があった。その時のパフォーマンスが認められて翌13年はゲスト・アーチストに昇格、アンサンブル最優秀賞候補になった作品の一員に抜てきされ、ついに14年フルタイムメンバーとなる。

 「恩師、仲間、家族との良き人間関係に恵まれ、幼児期から今に至るまで母の温かい理解と支えがあったからこそ、努力を積み重ねられた」と國場さんはふり返った。現在TDTの仕事だけで生活は成り立っており、育ててくれたTDTスクールには感謝しているとほほ笑んだ。

 沖縄で現代舞踊の活動に従事する団体「Mings」にも所属。昨年12月県立博物館・美術館で開催した初公演にも参加。沖縄との「絆」も大切にしている。

 異文化の中で夢を追う國場さんは「クラシック・バレエは、スタイルなど一定の基準ができ上がっているが、コンテンポラリーはそうした制約に束縛されず、ダンサーが各自の考え、概念を自由に表現できる」という。そして「基準が無いことは独自の表現追求に難しさがあるが、それに挑戦することも魅力。踊り手と観客のアイデアの相互作用によって踊りが変わっていくのも魅力」と目を輝かせた。