「甲子園だ! よくやった」。序盤の大量得点で流れをつかんだ興南高校が甲子園への切符を勝ち取った。勝利の瞬間、スタンドでは在校生や父母らが抱き合い、喜びの声を上げ、瞳を潤ませながらナインの活躍をたたえた。

甲子園出場を決め、喜んだり涙を流したりする興南高校父母会=16日、沖縄セルラースタジアム那覇(宮里美紀撮影)

美来工科高の健闘をたたえる父母や応援団

甲子園出場を決め、喜んだり涙を流したりする興南高校父母会=16日、沖縄セルラースタジアム那覇(宮里美紀撮影) 美来工科高の健闘をたたえる父母や応援団

 初回に興南が2点を先制し、二回に5点、三回に6点と序盤から得点ラッシュ。チームカラーのオレンジ色に染まったスタンドは、歓声が途切れなかった。

 初回、先頭打者で安打を放った仲村匠平一塁手の父明さん(43)は息子のいきなりの活躍に少し驚いた様子。「このまま自分のプレーをしてほしい。油断は禁物」とグラウンドの息子を真っすぐに見つめていた。

 決勝のマウンドを任されたのは大会初先発の1年生、宮城大弥投手。父享さん(49)は終始落ち着いた表情で息子の投球を見守り、「あの子はただ野球が大好きなんだ」と目を細めた。

 地域の野球チームに所属していた小学4年生の時、高熱を出した。先生に帰宅を促されるも、「帰ったら野球ができないから嫌」と拒否。何とか母礼子さん(49)が自宅に連れて帰ったが隙を見て抜け出し、練習をしていたという。決勝の朝も緊張した様子はなく、「大会楽しいね」とわくわくした表情で球場に向かった。享さんは「けがをせず、甲子園でも野球を楽しんでほしい」と激励した。

 同校野球部OBで、福元信馬主将の兄信太さん(24)は「最後までいい試合だった。スタンドとも一体感があった」と、後輩たちの活躍を褒めちぎった。弟には毎試合前にメールで激励するといい、前日は「冷静さを忘れずに。今までやってきたことを出し切れ」とアドバイス。「これから甲子園に行くまでの練習はきついが、自分を信じて頑張ってほしい」とエールを送った。