【連載「働く」を考える】第3部 働きやすさ求めて

 ◆ブルームーンパートナーズ

社内は外国のオフィスのような雰囲気。伊波貢さん(中央)は社員が働きやすいよう、ハード面の環境づくりにもこだわる=那覇市銘苅・ブルームーンパートナーズ

 「社長より社員の給与が高くていいと思っている。プロ野球でもそうでしょう。成果を出した分、給料を取ればいい。そうしないと生産性は上がらない」

 コンサルティングやマーケティング戦略を手がけるブルームーンパートナーズ(那覇市銘苅、社員15人)代表の伊波貢さん(50)はそう言い放つ。

 同社は独自に「インセンティブ給与制」をつくる。固定給は保障しながら、収益貢献度が高い社員には一定の計算式に基づいて、上限を設けずに給与を上乗せする仕組み。
 実際に社長より給料が高い人はまだいないが「来年には出てくるはず」という。

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 「いかに社員のモチベーションを上げるかを考えている」と伊波さん。

 欧米の企業などが取り入れる、給与を得ながら長期休暇を取得できる「サバティカル制」もその一つ。「外に出て見聞を広め、仕事に生かしてほしい」という思いから、2~3年のうちに1カ月の長期休暇が取得できる体制を整えたいと考えている。

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 同社が1年に手がけるプロジェクトは15~20。プロジェクトごとにリーダーを決め、リーダーがスケジュールや予算を立て、仕事を動かしていく。

 伊波さんら役員は大枠の意思決定や進捗(しんちょく)状況の確認はするが、基本的に仕事は現場任せ。「有能な社員たちに仕事の主体を譲ったほうがいい結果が出る」

 出した利益はメンバーで均等に分配するから、業務の分担にも自己調整力が働くという。

 並列文化の沖縄には上意下達の組織はなじまないと、権限を分散して意思決定する「ホラクラシー」と呼ばれるフラットな組織体制を取る。事業部、総務部などの部署はない。「そのほうがスピーディーで、業務効率がいい」

 1年前に県外の外資系企業から転職した長野庄貴さん(36)は「社長を含めフラットな関係なので、スムーズに仕事を進められる」と話す。

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 社員の仕事の自由度を確保しつつ、毎週の会議のたびに、会社の理念や行動指針を振り返り、会社が目指す方向性を確認する。

 「最終的にここを目指すというビジョンが明確なことが働きやすさにつながっている」。伊波さんの片腕として働く山城あゆみさん(48)はそう指摘する。

 ランチタイムには代表も一緒に皆で弁当を食べる。家族や趣味の話をしながらコミュニケーションを取る時間。社員の家庭の状況を知っておけば配慮した働き方も考えられる。

 ことし1月に入社した棚原秀樹さん(34)は「ここでなら、自己実現と会社への貢献を両立させた仕事ができると思う」と語った。(学芸部・高崎園子)

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