東京商工リサーチ沖縄支店が2日発表した2014年の県内の不動産競売件数(那覇地裁管内の受け付け分、平良・石垣両支部除く)は前年比86件減の369件となり、同支店が集計を始めた03年以降、過去12年間で最も少なかった。同支店によると、09年の金融円滑化法施行で企業の資金繰り緩和や個人住宅ローンの返済負担が軽減され、倒産や破産が減少。景気回復に伴う不動産需要の高まりもあり、競売前の任意売買が増えたとみている。

 同支店によると、那覇地裁が受け付けた競売件数は03年に1559件、06年に1583件で最多となった。07、08年と減少傾向だったが、リーマンショック後の09年に再び増加。09年12月に金融円滑化法が施行され、10年は844件で1千件を下回った。

 那覇地裁が競売を受け付け、14年に入札にかけた件数は231件となり、円滑化法の実施前(09年)に比べ610件減少。種類別では一戸建て住宅が295件減の106件、マンション(1部屋)が66件減の25件、共同住宅(1棟)が27件減の2件。市町村別では那覇市が93件減の39件、名護市が65件の28件、うるま市が50件減の27件など軒並み減少した。

 13年3月末で同法は終了したが、金融機関は柔軟な姿勢を継続。金利引き下げや支払期限の延長などで対応し、14年9月末の県内3地銀合計の条件変更実績は、13年3月末比で中小企業向けが8835件増の3万4613件、住宅ローンは833件増の3941件となっている。

 同支店の友利政人情報部長は「円滑化法の効果が持続し、窮地に追い込まれる企業や個人が減ったことの表れ。不動産は需要過多にあり、実際に処分する場合、競売価格よりも高値で取引されている。競売の減少は景気の良さを示すバロメータといえる」と話している。