情報分野における技術・研究では世界屈指の名門、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボで日本人初の所長を務める伊藤譲一さんは、何かを生み出し前進するには「教育より学び」だと主張する

▼人から教わることが主の「教育」ではなく、自ら求め体得する「学び」。教科書をなぞることに終始せず、そこから行動し実践せよとのメッセージに刺激を受ける研究者は多い

▼技術開発や創造的な分野に限らず、人間が成長するための普遍的な姿勢だ。そんな「学び」の動きとして、県内で乳がん治療に関わる医師や看護師、薬剤師らが全国3校目の「乳がん学校」を開校したと、2日付くらし面で紹介された

▼部位や進行程度、再発の有無など丁寧な対応が必要ながん治療に、チーム医療は不可欠だ。医師には言えぬが看護師になら打ち明けられることもある。不安が強い患者には医師同士が相談し安定剤を出すことも

▼患者や家族を孤立させず、安心できる医療を提供するには、一人一人の意識を高める必要がある。学校長の宮良球一郎医師は「敷居を低くしてどんどん卒業生を送り出し、医療を絶えず向上させる」と力強い

▼模索し、努力し、行動に移す力がなければ、何事も進まない。思わず、計画倒れのままになっている「あれやこれや」が頭をよぎった。(儀間多美子)