沖縄県が那覇空港内で進める航空機整備基地整備事業で、建設予定地の一部となっている自衛隊用地にある施設の移転補償をめぐる防衛省との調整が難航し、実施設計を終えた昨年11月で事業が事実上中断していることが3日、分かった。本年度予定されていた造成工事が着手できず、整備事業再開の見通しは立っていない。県は2014年度予算に計上された事業費46億3千万円の15年度予算への繰り越しを県議会に提案している。

那覇空港 航空機整備施設予定地と予定地にかかる自衛隊用地

 同事業は那覇空港内の敷地2万9396平方メートルに、機体整備やペイントなどができる格納庫などを造る。ANAホールディングスの入居が内定している。総事業費は約173億円。14年度予算に約47億8千万円を計上した。8割は一括交付金を活用する。計画当初は15年度の運用開始を目指していた。

 建設予定地は航空自衛隊那覇基地の一部に重なっている。県によると、移転費用などの防衛省との補償交渉は14年3月までに、予定地にかかる自衛隊の施設などを移転する費用を県が補償することで合意していた。しかし、防衛省は14年8月、整備基地に隣接する用地にある施設全体の移転費用の補償を求め、交渉が暗礁に乗り上げた。

 政府筋によると、施設全体の移設費は40億円ほどかかる見込みという。

 3日の県議会一般質問で、下地明和商工労働部長は「全体の補償という話だが、なかなか折り合いがつかない」と厳しい状況を明らかにした。翁長政俊氏(自民)への答弁。