沖縄県南風原町の特産品「つかざん完熟かぼちゃ」の規格外品を加工した商品が人気だ。昨年はスープのもとやペーストなど300キロほどを完売。大城野菜生産農園加工所の大城清美さん(51)は「贈り物として町内外の人に知ってもらえたら。他の野菜でも挑戦したい」と意欲をみせる。(南部報道部・又吉健次)

「つかざん完熟かぼちゃ」規格外品の加工商品を持つ大城清美さん=14日、南風原町津嘉山

 清美さんが加工品作りを考えたのは2005年ごろから。カボチャ農家の夫・恭彦さん(53)が年間約10トンを生産するが、規格外品が5%、重さにして500キロほど出る。

 「日焼けや傷、形が悪いだけで味は一緒。もったいない」。家族で食べ、親戚にあげ、日陰に置いても1~2カ月たつと腐るため、肥料にしたこともあった。

 研究を重ねて10年ごろ、町生活研究会の2人と加工品作りに着手。南城市の企業に依頼して粉末状にし、ケーキの材料などで販売した。しかし粉末にすると原料の重さ16%程度しか商品化できず、さばききれなかった。

 理由ははっきりしていた。「ペーストの方がほくほくとして甘味もあっておいしいと分かっていた」が、保管する冷凍庫も衛生管理の知識もないため、粉末の商品を作っていたからだ。そこで加工品作りの研修で知り合った八重瀬町の業者に頼んで、13年にペースト製造を始め、14年には約100キロを売り切った。

 「真空パックで扱いやすくて便利」「皮むきの手間がいらず、すぐ調理できる」ことも人気の理由だ。大城さんは14年末から蒸し機や冷蔵庫、瞬間冷凍庫など約300万円分を町や県などの補助金も使って購入。「行動しないと始まらない」と、少なくない投資にも不安はなかった。

 町津嘉山で15年から自社生産を開始。町商工会が購入を勧める「はえばる良品」に今年2月認定されたほか、5月からは糸満市の観光施設が沖縄土産として販売を始めるなど知名度も上がりつつある。

 清美さんは「うちは農家で原料があることが強み。カットする作業は大変だけど商品が売れたら、それまでの難儀が吹き飛びますよね」。恭彦さんは「値段のつかない規格外品から利益が出て農作物の無駄もなくなる。他の農家の見本にもなれたら」と喜ぶ。

 「漉(こ)しカボチャ使って味わうスープの素」(100グラム、250円)などの商品はファーマーズマーケット南風原「くがに市場」で扱っている。問い合わせは同店、電話098(889)3377。