絵筆で新年のあいさつ「いい正月でーびる」などと書きながら「みゃーくふつ(宮古の言葉)では何と言うんだった?」と宮国千恵子さん(61)が桑原禮子さん(61)に尋ねた。桑原さんも、答えが浮かばない。2月半ば、旧正月にあわせて宜野湾市内で開かれた、しまくとぅば絵手紙年賀状を作るワークショップでのこと

 ▼2人は宮古島の平良島尻出身の友人同士。ともに子どものころ故郷を離れ本島に移り住んだ。結局、適当な宮古の言葉を思い出せず「生まれ島が遠くなるような感じがした」

 ▼その2人がすまふつ(しまくとぅば)同好会を始める。「やっぱり、言葉を忘れてはいけない」と、数年前から温めていた計画が、ワークショップをきっかけに一歩前へ進んだ

 ▼年上の友人を交えた同郷の数人で集まり、すまふつで会話をするつもりだ。宮国さんは「聞けば、だんだん思い出すんじゃないかな」と期待している

 ▼しまくとぅばは、地域によって大きく異なる。生まれ育った場所と違う所に住み、二つのしまくとぅばを持つ人もいる。片方の言葉を使うことで、もう片方の大切さを思い起こすのかもしれない

 ▼小さな花が実を結び、別の場所に種が飛んでいって芽吹き、また花を咲かせる。そんなふうに自分の言葉を大事にする気持ちが、確実に広がっている。(安里真己)