まるで機密指定した極秘情報が漏れてしまうかのようなあわてようである。米本国ではこの程度の文書の公開にも待ったをかけるのだろうか。 情報公開条例に基づいて県が開示を決めた県道70号の共同使用に関する合意文書4件について、国は4日、日米の同意を得ないまま文書の開示を決めたのは違法だとして、決定の取り消しを求める訴訟を那覇地裁に起こした。

 同時に、国は「文書の開示により米国との信頼関係が損なわれる恐れがある」(菅義偉官房長官)との理由から、判決が確定するまでの開示の執行停止を申し立てた。

 県は当初、6日に全文開示を予定していたが、那覇地裁が申し立てを認めたため、判決が確定するまで開示を見合わせる方針である。

 東村高江でヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設反対運動に取り組んでいる住民らは、県道70号の路側帯を利用して抗議行動を続けている。今回、市民が合意文書の開示を県に請求したのは、県道70号路側帯の共同使用を解除し、米軍専用にして住民の立ち入りを全面規制する動きがあるためだ。

 米軍は日米合同委員会の合意文書を「開示すべきではない」と主張するが、県は情報公開条例の趣旨に照らして「不開示とする理由がない」と説明する。

 なぜ開示してはいけないのか、どこがどのように問題なのか。国民の「知る権利」と比較してもなお、不開示にすべき公文書なのか。説明責任を果たす義務は、国や米軍にある。

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 日米合同委員会の合意事項は日米の了解がなければ開示できない、と防衛省は指摘する。一般論として言えば確かにその通りであるが、それだけを強調するのは一面的だ。

 日米両政府は1996年12月、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告をまとめ、「日米合同委員会合意を一層公表することを追求する」ことを確認している。合同委員会の合意内容の公表に努めることを19年も前に決めているのである。

 北部訓練場を通る県道70号は、90年の日米合同委員会で地位協定2条4項aに基づく共同使用が決まった。県道は県民が日常的に利用している生活に欠かせない道路である。その道路の使用に関する合意内容を県民に明らかにするのは当然のことではないか。

 日米両政府は、開示決定の取り消しを求めるのではなく、提訴を取り下げ積極的に情報を開示すべきである。

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 国や米軍は「辺野古」や「高江」で続く市民の執拗(しつよう)な抵抗に手を焼き、抗議行動の封じ込めに躍起になっている。

 4日のさんしんの日にキャンプ・シュワブのゲート前でそろって三線を演奏した市民に対し、県警は雨よけのテントさえ認めず、これを解体した。米軍と官邸の意向を受けた心ない措置である。

 生物多様性の豊かな北部の森や海を守り、騒音や演習被害に悩まされないごく普通の穏やかな生活がしたい-そのような市民の願いを強権で押しつぶそうとする現状は理不尽極まりない。