「子どもとの時間が増えて幸せです」。連載「『働く』を考える」で取材した大和コンクリート工業社員の笑顔にはワークライフバランス(仕事と生活の調和)の充実ぶりがあふれていた。7時間労働を実現した同社には企業から問い合わせが相次いでいるという

▼長時間労働は日本人の習性と化している。過労死は「karoshi」という英語になった。かつて「24時間戦えますか」というCMも。高橋まつりさんが過労自殺した、電通の違法残業事件で、私たちはそのおかしさに気づかされた

▼21日に公表された経済財政白書によると、1人当たりの労働時間が短い国ほど労働生産性が高い。ドイツは経済協力開発機構(OECD)諸国の中で最も労働時間が短く、日本の8割にとどまるが、生産性は日本を約50%上回る

▼どう働く時間を減らして生産性を高めるか。どの企業にとっても大きな課題だろう。ワークシェアや無駄な業務の見直しなど、試行錯誤しながら改善に挑戦している企業が県内にもある

▼専門家は、経営者が社員の意見に耳を傾け、失敗を恐れず、まず試してみることだとアドバイスする。小さな企業ほど機動力があるとも

▼生きるために働くことは必要だが、私たちは働くためだけに生きているのではない。ライフの充実は、ワークの意欲にもつながる。(高崎園子)