【連載「働く」を考える】第3部 働きやすさ求めて

 ◆合同会社「暮らしかたらぼ」

片付けのプロとして働いている根原典枝代表(右)と「暮らしかたらぼ」の社員たち=北中城村安谷屋

 合同会社「暮らしかたらぼ」(根原典枝代表)=北中城村=はことし6月までに、全員パートだった5人の非正規社員のうち、2人を正社員に登用した。

 「パート時代は手伝いたくても、ここまで踏み込んでいいのかな、という躊躇(ちゅうちょ)があった。正社員になって数字のことから仕事効率まで、経営について代表と話す機会が増えた。仕事への向き合い方や意識が変わった」

 3年前にパートから正社員になった比嘉理絵さん(39)は自身の変化をそう語る。それまでアシスタントとして関わっていた仕事を、任されるようにもなった。

 根原さんは「主体的に関わってもらい、助かっている。一緒に経営に携わる仲間ができた」と喜ぶ。「戦力になってもらうためにも、希望があれば全員、社員になってもらいたい」

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 同社では、個人や企業の整理・収納の課題を解決し、ノウハウを指導する。2010年、根原さんが個人事業として立ち上げ、片付け・家事代行サービスを始めた。

 事業拡大を図ろうと14年に法人化。このときに1人をパートから正社員に。ことし6月には、県の正規雇用化サポート事業を活用して、もう1人を正社員化した。

 非正規雇用率が44・5%で全国一高い沖縄県。非正規雇用は柔軟な働き方ができる一方、不安定な雇用形態で、賃金が安いなどの問題があり、人材が定着しない要因の一つにもなっている。

 県は14年度、正規雇用化を促進するモデル事業をスタート。16年度に本事業化し、同社を含む19社が事業を利用して71人の正規雇用化につなげた。

 同事業では、中小企業診断士や社会保険労務士ら専門家チームを無料で派遣し、企業が抱える経営上の課題解決をサポートする。

 根原さんは社労士から「就業規則は一緒に働いてもらうための従業員へのラブレター」という言葉を聞き、今までなかった就業規則を作成。1人で作った理念も、助言を受け、社員と一緒に作り直した。

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 「会社を成長させるためには一人一人の社員の能力を高める教育が必要。零細企業は何でも使わないと」と民間、公的含め、外部の研修会を積極的に活用している。

 これからスタッフを増やす計画で、理念の共有やサービスの質の平準化が課題だ。会社の理念やビジョンを盛り込んだ「教科書」、作業手順の「マニュアル」作りに社員挙げて取り組んでいる。

 給与面も課題。根原さんは「例えばシングルマザーが仕事を掛け持ちすることなく、ここだけの給料でしっかり生活できる額を支払いたい。必要な給与から逆算して売り上げ目標を達成していきたい」と意気込みを語った。(学芸部・高崎園子)