東日本大震災から4年を迎えた11日、雪が舞う被災地では、遺族や住民らが地震発生時刻の午後2時46分に黙とうし、悲しみを新たにした。

 震災の死者は全国で1万5891人(11日現在)。岩手、宮城、福島の被災3県では今なお、2584人の行方がわからず、ダイバーによる海中捜索などが続いている。

 約1600人が犠牲になった岩手県陸前高田市。津波で母親と兄夫婦を失った女性(68)は、墓前を掃き清め、キクやサクラの枝を供え、ぽつりと語っていたという。「時間がたった今のほうがつらいね」。大切な人を失い、家を失い、ふるさとを失った人々の生活再建は、失ったものがあまりにも大きいがゆえに、容易ではない。

 安倍晋三首相は震災3年の昨年、「被災地のみなさんが復興を実感できる1年にしていく」と決意を述べた。確かに大型インフラの整備は進んだが、法制度の壁、人員不足・資材不足の壁など、次から次に押し寄せる壁に行く手をさえぎられ、生活再建は思うように進んでいない。

 被災3県では災害公営住宅の建設などが遅れ、合わせて約8万人がプレハブの仮設住宅暮らしを余儀なくされている。妻を失い仮設住宅で1人で暮らす男性は、テレビの取材に対し、「これからどうやって生きていったらいいか、分からない」と力なく答えていた。

 仮設住宅が長引けば、健康にも悪い影響を与える。精神的に追い込まれた人々に対する心のケア、息の長い支援が必要だ。

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 仮設住宅には高齢者が多い。親と仮設住宅に住む小学生は、遊び友だちがいないために、感情が不安定になりがちだという。

 震災から4年たって、次第に浮かび上がってきているのは、自宅を再建し工場や店舗を建て直し、生活再建の第一歩を踏み出した人々と、さまざまな事情からそれができず、厳しい生活を強いられている人々との二極化傾向である。産業復興も、業種や地域の格差が大きい。

 壊れたままの自宅に住む「在宅被災者」の現状も、改善されたとは言い難い。1階は津波で破壊し尽くされ、修繕するゆとりもなく窓の割れた2階に住んでいる人。天井に段ボールをはり、雨漏りを防いでいる人…。

 就業機会や教育・子育て環境などを考慮し、ふるさとを離れた人々は、時がたつにつれて帰還の意欲を失いつつあるという。被災各地で人口流出が続いている。

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 政府が定めた5年間の「集中復興期間」は、来年3月で終わる。期間終了まで1年を残すのみとなった今年は、復興の正念場である。

 安倍首相は2016年度から5年間の新たな復興の枠組みを今年の夏までにまとめる考えだが、政府の中には地元自治体に負担を求める考えが浮上している。

 東日本大震災は現在進行形の震災である。復興は道半ば、原発事故を抱える福島にいたっては半ば以前の段階だ。「自助」を求める前にするべきことがある。