目当ての「牛そば」が到着すると、思わずニヤけてしまった。ゴロッとした牛肉に、にんじん、大根、昆布、ゴボウなどと大きめ具材がたんまり。自家製の牛のだし汁を野菜のうま味が引き立て、牛肉のほどよい柔らかさがくせになりそうだ。

大きめカットの野菜と、柔らかい自家製牛が自慢の「牛そば」

地元客や観光客でにぎわう店内は、どこか懐かしい=石垣市伊原間・新垣食堂

新垣食堂の場所

大きめカットの野菜と、柔らかい自家製牛が自慢の「牛そば」 地元客や観光客でにぎわう店内は、どこか懐かしい=石垣市伊原間・新垣食堂 新垣食堂の場所

 「うちは牛一本。豚も鳥も一切使わないさ」。そう気さくに語るのは店主の新垣隆子さん(65)。自慢のだしは地元産の黒毛和牛がベース。みそと塩で味を調え、季節の野菜をたっぷり入れて4時間以上じっくり煮込む。

 メニューは牛そば(大800円、小700円)、牛汁(千円)、ビーフカレー(800円)の3種のみ。牛肉は食べ応えもあり、その柔らかさと味わい深さにリピーターが絶えない。自慢のだしを生かしたカレーもお薦めだ。

 創業は約30年前。近所で食堂を営んでいたお年寄り夫婦が店を閉め、同じ場所を引き継いだ。石垣島北部で数少ない食堂だったが、観光客はほぼおらず、仕事で訪れる人が立ち寄る程度だったという。

 だが、2001年のドラマ「ちゅらさん」以降、観光ブームが島に押し寄せ、状況は一変。店も口コミで評判となり、今では開店待ちの客がいるほどだ。「もう大変。前は牛1頭で1カ月は余裕だったが、今では足りないくらい」とうれしい悲鳴を上げる。

 15年度には「八重山そば選手権」のオリジナル汁そば部門で初代グランプリに輝き、さらに注目されるようになった。「忙しくて、接客がそっけなくなっちゃう」ことは悩みの種だとか。

 「せっかく来たんだから、食べるだけじゃなくて話ぐらいはしたいさぁね」とほほ笑む新垣さん。「お客さんが喜べば、それでいい。味を守って体力が続く限りやるさ」(八重山支局・新垣玲央)

 【お店データ】石垣市伊原間59。営業時間は午前11時半~午後2時(売り切れ次第終了)。日曜日定休。約25席。駐車場有り。電話0980(89)2550。