やんばる勤務を終え、2年ぶりの那覇での暮らし。片付けが進まず段ボールに埋もれて寝起きしていた先週、ふと目覚めると、窓の隙間からのぞく空が白々としている。「もう夜が明けるな」と時計を見たら午前3時半だった

▼以前は気にも留めなかったが、あらためて那覇の夜空の明るさに驚いた。同僚と楽しく語り飲み、ほろ酔い加減の帰り道、空を見上げて暗闇を流れる天の川を満喫した名護とはあまりに違う

▼都会の街灯やネオンの過剰な明かりは、天体観測だけでなく動植物の生態や人間生活にも悪影響とされ「光害(ひかりがい)」と呼ばれる。昼夜問わず人工的な光が降り注ぐ現代の社会問題の一つだ

▼昆虫や鳥、農作物や家畜などの生活環境や生理機能を左右し、人間の安眠妨害も引き起こす。環境庁(当時)は1998年「光害対策ガイドライン」を策定し、良好な照明環境の実現を呼びかけたが周知は今一つだ

▼先日、県内随一の“星空自慢”を誇る石垣島で、光害について考える講演会が開かれた。満天の星空を「世界に誇る観光資源にしよう」との試みに共感した

▼那覇の街のきらびやかさについ、心が躍ることもある。だが常に夕暮れや朝焼けのような空の色に違和感を覚えてからは、真っ暗な空間に無数の星が輝く、やんばるの夜空を思い出している。(儀間多美子)