「ウチナーフードって何?」と聞くと、沖縄から来た若いウチナーンチュとダブルの若者が「タコライス」と返答した。なるほど沖縄の米軍基地がちらついた。「昔からのウチナー食べ物は?」と聞くと反応なし。するとペルー系の県人が「ラフティ、ポークアンダミスおにぎり」と出た。答えた33歳の青年は両先祖ともウチナー系のひ孫である。ポークアンダミスとは、豚肉入りの炒めみそでおにぎりの中に入れて食する昔からのウチナーフードだ。 

ペルー県系子孫たちのアイデアで数年前に作られたニューヨーク沖縄県人会のピン。「I Love New York」にちなんで「I Love Okinawa」

 ニューヨーク沖縄県人会は今年、場所が探せず創立以来初めてピクニックがキャンセルされた。その代わり、若者たちは10月21日の初の「ウチナー祭り」に集中している。 しかも今、次世代が自発的に動いているのだ。「シタイ! ナマヤサ!(やったぞ、今だ)」と反射的に叫びたくなった。人材育成、万歳である。

 ウチナー祭りの目的は、会員以外に誰でもメンソーレで参加でき、沖縄伝統文化を広め、ウチナーの連帯感を強化しよう、との狙いである。今までは会員だけで占めて排他的に映っていたのだろうか、とも考えさせられる。

 祭りのチラシは伝統の踊り、歌、三線、空手などの余興の計画を英語と日本語で表記し、郵便配布とネットで広報された。「手作りのウチナー料理をボランティアで募集」とはペルーからの発想らしい。参加しなければ誰かに持たせる。「参加しなくても?」と折り返し聞く自分が恥ずかしくなった。ここでは初めての試みである。

 ウチナー料理にこだわり、ゴーヤー・野菜チャンプルー、サーターアンダギーなどのリストがある。それらの料理を弁当に詰め、販売し、イベントを拡大するための基金集めもする。ウチナー独特の素朴な真善美、強いウチナーアイデンティティー(独自性)を抱き、自主的に実行する若者たちを実にあっぱれだと感動している。

 食文化・伝統芸能で地域社会へ沖縄を紹介するのがイベントの目的。次世代がバトンタッチできるよう1世たちは努力しなければならない。今回のイベントは数人のペルー系の若者たちが考案し、自主性や信頼性、そして有言実行を理念としている1世たちに相談し、協力を求めている。

 真のチムグクルは必ず実になる。チムは肝をいい、グクル(ククル)は心、つまり、ウチナー魂と解釈している。

 チムグクルの有無は人それぞれに主観的で口や筆で表現できる観念ではない。その定義を理論で把握するだけでなく、私自身、ペルーの先輩たちにあやかって試練の心構えをする覚悟でいる。ウチナーの昔からの「ユイマールのチムグクル」精神が子孫に伝授されている姿を見て、そう思った。

 その影響の結果を私は目撃している。そして彼らの親と先祖たちに脱帽している。この若者たちを通して、ペルー先祖のチムグクル、次世代を思うウチナーの原点が少しは把握できたと思っている。(てい子与那覇トゥーシー)