中核市に移行し、沖縄県から動物愛護に関する業務や適正な飼育の普及・啓発を請け負うことになった那覇市で、犬・猫の殺処分数が減少している。移行後の2013年度は前年度比187匹減の350匹。14年度も1月末時点で260匹とさらに減少する見込みだ。13年9月に改正動物愛護法が施行され、条件に満たない持ち込みに関して自治体が受け取りを拒否できるようになったことが背景にある。また、那覇市では殺処分数のさらなる減少に向け、動物愛護に関するイベントの開催や保護した動物のチラシを作成するなど、独自の施策を展開している。(社会部・我喜屋あかね)

人懐こい雄の猫。施設内では動物たちが新しい飼い主が訪れるのを待っている=南風原町新川・エコマール那覇

 中核市移行後に新設され、動物に関する業務を請け負う那覇市環境衛生課では「家族の元に返すことを第一」とし、飼い主探しに積極的に取り組んでいる。移行前の12年度の犬の返還率は全体の約35%だったが、14年度1月末時点では140頭中85頭と約60%に上る。

 移行後、同課は独自でチラシを作成。保護された場所近くのスーパーやコンビニ、自治会などに張り出して情報を募る。また従来5日間とされている収容期限を新しい動物が来るまで、最大2週間保護し、動物たちがより飼い主の元に戻れるよう努めている。

 収容動物の譲渡にも取り組む。本年度1月末時点で犬17匹、猫14匹が新しい飼い主の元で暮らしている。譲渡の際は課の担当者が希望者宅に出向き、飼育環境が整っているか、家族の同意が得られているかなど、適正に飼育できるかどうかをチェック。飼育法など1時間程度のマンツーマン講習を実施する。健康面や社交性などを考慮し、ペットに適していると判断された動物を希望者に引き渡す。市の担当者は「ペットが死ぬまで責任を持って最期までみとるという飼い主の意識改善が大切」と期待する。

 一方、中核市移行の要件であり、狂犬病予防法に基づいて整備する「動物サポートセンター(仮称)」については移行から2年が経過する現在も、開設の見通しがたっていない。住居専用地域がほとんどの市内では、動物を保管し、「畜舎」に該当するサポートセンターを建設できる用地が少ない。さらに一定規模の面積が必要なため、用地の確保ができていないのが現状だ。

 市では現在、一定期間保護した動物を県動物愛護管理センター(南城市)に引き渡す。新設予定の施設では市内で保護した動物を収容するほか、地域住民を対象にした講習会やふれあい教室を開き、動物愛護の普及・啓発に取り組む。同課には年間約3400人の小学生が見学に訪れており、専用施設の整備でさらに増えることが見込まれる。