大阪市の米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社のグレン・ガンペル最高経営責任者(CEO)が18日、沖縄で新たなテーマパークを建設する方針を明らかにした。

 大阪市内で報道陣の取材に応じ「映画やテレビ番組をテーマにしたパークではなく、沖縄の場所に合うものを造る」と言明した。

 ガンペルCEOは、具体的な建設場所や開設時期は示さなかったが、昨年7月の共同通信のインタビューで九州・沖縄やアジアを候補地として新たなテーマパークを建設する構想に関し「国内外の複数と交渉中だ。名護市はその一つ」と述べている。

 本紙の取材で、名護市の動植物公園ネオパークオキナワを含む周辺地域と本部町の一部で同時に新たなテーマパークを展開する案が有力とみられている。

 テーマパークのコンセプトは北部の自然環境。名護市では「森林」、本部町では「海」をテーマに新たなエンターテインメント施設を展開する。映画主体のUSJとのすみ分けを図り、旺盛な沖縄の観光需要を取り込む戦略だ。

 翁長雄志知事は「沖縄観光の将来にとって大変重要で歓迎すべきこと」とコメントを出した。候補地とされる名護市の稲嶺進市長も「希望をもって対応を考えていきたい」と述べている。

 USJの新たなテーマパークが観光振興のさらなる起爆剤になるのは間違いない。沖縄観光は新たな時代を迎えることになりそうだ。

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 ただし、いくつかの懸念は残る。なぜ、建設場所も内容も正式に決まっていないこの時期に急いで沖縄進出を表明したのだろうか。計画の具体的な青写真も示さないのは、すっきりしない。

 ガンペルCEOは進出を表明した一方で「あくまで初期計画の段階。(新パークの計画が)うまくいくかは分からない」と含みを持たせていることも腑(ふ)に落ちない。

 基地問題では、強硬的な姿勢をとり続けてきた菅義偉官房長官が、進出表明を受けて「沖縄振興にとって極めてインパクトのあること。政府としてできる限りの支援をしたい」と、会見で異例の言及をした。

 菅氏が昨年の県知事選で、仲井真弘多氏の応援演説で来県した際に、USJの誘致支援を表明していたことを思い出す。基地問題とリンクさせるようなことがあってはならない。

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 USJの運営会社は、東京五輪が開催される2020年までの開業を目指している。遅くとも5年以内に、新たなテーマパークがオープンすることになる。

 観光客が一気に増える可能性もあり、インフラや宿泊施設など受け入れ態勢の課題解決が急がれる。

 既存の観光施設との連携や魅力ある観光商品の開発などテーマパークを軸に周辺への波及効果をもたらす仕組みづくりも必要だ。

 USJの進出は、沖縄観光のあり方をあらためて考える契機になるだろう。