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  • 21日の集会で安慶田副知事が「翁長知事が近々最大の決断をする」
  • 与党幹部の1人は辺野古の岩礁破砕許可取り消しがあると見ている
  • 政府関係者は「翁長さんに秘策があるんでしょう」と余裕の表情

 安慶田光男副知事の「最大の決断」は、何を意味するのか。翁長雄志知事の就任後、2度目の辺野古新基地建設に反対する大規模集会に、県首脳として初めて出席。踏み込んだ発言に期待と臆測が渦巻く。県が昨年8月、沖縄防衛局に出した岩礁破砕許可の取り消しに向けた手続きを進める可能性が濃厚といわれる。(政経部・福元大輔、銘苅一哲、東京支社・大野亨恭)

安慶田光男副知事=21日、名護市瀬嵩

 名護市瀬嵩の浜。防衛局が臨時制限区域を示すために設置したフロートが、手を伸ばせば届くような距離にある。知事の代理で出席した安慶田氏は、3900人を前に舞台上から声を張り上げた。

 「辺野古に新基地を造らせない闘いは、公権力が相手で大変難しい。しかし、翁長知事は少しもぶれない。信じてほしい」

 そして、続けた。

 「翁長知事は近々のうちに必ずや最大の決意、決断をする時期に来る」

 関係者によると、翁長氏は集会を翌日に控えた20日午前の記者会見で、岩礁破砕の許可取り消しに向けた判断について発言する意向があったものの、法律的な調整が残っていたため、見送ったという。

 調整を担当したのが安慶田氏だ。19日に外務省日米地位協定室を通じて、臨時制限区域内での立ち入り調査を認めるよう再申請。同時に防衛局に対し、壊れたサンゴの原状回復と作業の一時停止を求め、対応次第で岩礁破砕許可を取り消しとする二段構えを見据えた検討に入った。

 県幹部は「知事は行政の長の立場で建設を止めるのが仕事。副知事は集会の参加者に、知事は集会に顔を出せないが、気持ちは一緒。しっかりやっているというメッセージを伝える必要があった」とみる。

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 安慶田氏の発言に、会場の参加者からは拍手が鳴り響いた。稲嶺進名護市長が「私たちの思いは、やがて形となる」と述べるなど、具体的な動きへの期待は一気に高まった。

 「最大の決断」とは前知事の辺野古埋め立て承認の取り消し・撤回とも受け取れるが、この日の集会を取り仕切った与党県議たちの反応は冷静だった。

 与党連絡会議の幹部の一人は「埋め立て承認は法的瑕疵(かし)の検証中で、今が決断の時期ではないはずだ」と指摘。安慶田氏の念頭には岩礁破砕許可取り消しがあると読み解く。

 承認の取り消し・撤回は重要だが、可能な行政手続きや権限を着実に行使することが建設阻止の実現につながるとの考えだ。

 別の県議も岩礁破砕をめぐる決断と受け止めつつ「行政として許可したものを取り消すのは承認取り消し・撤回と同じくらい重大な決断だ」と強調。「翁長県政の首脳が初めて集会に参加し決意を示したことで、一般の県民も本気度を感じられたことも意味がある」と評価した。

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 「翁長さんには秘策があるんでしょう。見物だ」

 政府関係者は、翁長雄志知事が岩礁破砕許可の取り消しの可能性を示していることを、余裕の表情で受け流した。

 基地建設へ向けた強い意志の背後には首相官邸の影がちらつく。

 知事選や衆院選などの選挙で出た新基地反対の民意を無視する形で進められている海上作業。翁長氏は国と対峙(たいじ)する姿勢を見せるが、自民党関係者はそんな考えを一蹴した。「壊れたサンゴ一つを持って、岩礁破壊という論理は滑稽で、単なる言いがかりだ」

 そして、こう続けた。「政府は、県が何を言おうと勝てる材料は十二分に持ち合わせている」