名護市の山道に、「落石注意」の看板がある。英文が添えられていて、直訳すると「前方に落ちた石あり」。あれ?

▼てっきり「これから落ちてくる石」の注意だと思っていた。国土交通省に聞くと、実は両方なのだという。落ちてくる石にどう注意するのか、長年の疑問もぶつけてみた。担当者は「私もこのカイシャに入る前はそう思っていた」と明かしつつ、「とにかくご注意を、と。日本語はファジーですから」

▼注意はしました。万が一のことがあっても、お互いさまでしょう-。昭和天皇や軍部の戦争責任をうやむやにした「一億総懺悔(ざんげ)」論にも通じる、あいまいな日本語の魔術

▼一方、英語は誰が何をどうするのか、論理がはっきりしないと文章にならない。山道の看板を作った人も、英語では「落ちてくる石に注意」は通じないと察したのだろう

▼ただ、県民は石よりも航空機の部品に注意した方が良さそうだ。今年に入ってすでに6件。こちらの主語は米軍で、はっきりしている

▼4日遅れの通報に抗議された当日、新たな部品落下が起きているのに、また翌日まで知らせない。原因が確定していないのに、同じ部品を付けて飛行を再開する。論理も道理も通らない。米軍は「落下部品注意」の看板で沖縄中を埋め尽くし、日本流に責任を逃れるつもりなのだろうか。(阿部岳)