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  • 現行憲法下で他国防衛のための集団的自衛権の行使は違憲と指摘
  • 73条の内閣の権限には他国の主権を征圧する軍事権の規定がない
  • 閣議決定は集団的・個別的自衛権が重なる部分だけ行使を認めた

 【東京】安倍政権による昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け、政府・与党で安全保障法制の論議が進められる中、憲法学者で首都大学東京の木村草太准教授は25日までに沖縄タイムスのインタビューに答え、「現行憲法下で他国防衛のための集団的自衛権を行使するのは憲法違反」と明確に指摘。「行使できるという議論は、ネッシーを探すくらい難しく、無理がある」と語った。

首都大学東京の木村草太准教授(憲法学)=3月、都内の同大学

 同権行使は憲法9条が認めていないことに加え、内閣の権限を定めた73条に他国の主権を制圧する「軍事権」が定められていないことに着目し、違憲の根拠に挙げた。行使には、「憲法を改正して軍事権を設ける選択肢しかない」と述べ、憲法解釈の変更のみによる行使は「法の支配の破壊につながる」と強い危機感を示した。

 一方、集団的自衛権の行使を容認したとされる昨年7月の閣議決定について「(実際は)日本の防衛以外に軍事活動をしないという従来の憲法の枠組みを超えていない」と分析。同決定は、自国が攻撃された際に行使できる個別的自衛権の範囲の一部で「集団的自衛権と重なる部分についてそう言い直しただけ」と整理した。

 さらに武力行使の新3要件の文言を詳細に検討した上で、双方が重なる部分について「当てはまるのは、在日米軍基地への攻撃くらい」と例示した。同決定の文言上、集団的自衛権行使には「非常に大きな制限があると理解していい」と話した。

 時の政権が拡大解釈し、海外での武力行使が拡大するとの懸念には「閣議決定や新3要件を正しく理解し、枠組みを超えれば『憲法違反』と政府に指摘しなければならない」と述べた。今後議論される安保関連法案への国民、メディアによる監視が政府への歯止めとなるとの考えを示した。

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