先週、自民党の議員が「八紘一宇(はっこういちう)」と国会で発言したことについて書いた。国会議員による歴史修正主義や復古調の発言が目立つのは、敗戦から70年もたち、痛ましい戦争の記憶が忘却とせめぎあう現実を示しているのかもしれない

▼先日、安倍晋三首相が自衛隊に関し「わが軍」と称し国会答弁した。憲法改正に意欲的で、集団的自衛権の行使容認を含む法整備を進めていることもあり、野党から反発の声もあがった

▼集団的自衛権をめぐって、これまで行使できないと解釈してきた長年の積み重ねを、一内閣の閣議決定一つで可能と変更した安倍首相である。「わが軍」発言も、自衛隊は「陸海空軍その他の戦力にあたらない」としてきた従来の政府見解から、大きく逸脱していると不信を深めた人も多いだろう

▼発言の直後には「自衛隊」と言い直しているが、逆にそこに「軍」にしたい“本音”が読み取れるかもしれない。やはり何か前のめりになっているという気がする

▼政府見解でも、自衛隊はわが国を防衛する必要最小限度の実力組織としており、首相の発言はその見解を超える。為政者の危うい発言は見逃してはいけない

▼新たな安保法制が準備され、国会で議論が始まる。再度、自衛隊やその役割について、歴史を振り返り認識する時期なのかもしれない。(宮城栄作)