「両国政府は恥を知るべきである」。多くの国際紛争の解決に尽力し「平和学の父」として知られるノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトゥングさんが、新著「日本人のための平和論」で、沖縄の基地問題を取り上げている

▼両国政府とは「破壊力の大きい兵器や危険な物資は圧倒的に沖縄に重点配備する」米国と日本。普天間飛行場所属のオスプレイが、オーストラリア沖で墜落した事故後の対応を見ると、冒頭の言葉は説得力を増す

▼県民の不安を訴え、飛行停止を求める富川副知事に「オスプレイは沖縄に限らず世界中で飛んでいる。軍の方針だ」(ニコルソン四軍調整官)と言い放つ在沖米軍トップ。それに異を唱えず、事故原因の究明もないまま「自粛」を求めるだけで、飛行を黙認する小野寺防衛相や菅官房長官

▼ガルトゥングさんは、特に敵からの攻撃対象になる沖縄のような基地周辺の住民は、非常事態には切り捨てられることが米側の戦略の前提と指摘する

▼昨年12月の名護市沿岸での墜落、普天間への胴体着陸。8カ月間で普天間所属のオスプレイ24機のうち3機が事故を起こし、重大な「クラスA」も2回

▼輸送機にもかかわらず、激しい訓練を伴う戦闘機より高い事故率は異常だ。日米両政府には、最優先で住民の命と生活を守る恥ずかしくない対応が求められている。(知念清張)