沖展の絵画部門で入選した山城道さん(36)は、20歳でカナダに渡り陶芸や絵画の制作に励んできたが、昨年7月に「網膜色素変性症」と診断を受けて帰沖した。症状は急激に悪化し、視野の95%を失った。

入選作「ちんだみ」の前で「右目と左目の見え方を表現した」と話す山城道さん=3月26日、浦添市民体育館

 入選した「ちんだみ」を描いたのは約3年前。まだ病の自覚は無かった。黒いキャンバスにいびつな白い円が浮かぶ2枚組の絵は、現在の右目と左目の見え方に近いという。筆やパレットナイフは使わず絵の具を直接キャンバスに置き、流しながら描いた。

 「心に浮かんだ風景。今思えば目が悪くなり始め、光がちらついていたのだろう。病の兆候が描かせたのかも」と話す。

 しばらく美術から遠ざかっていたが、家族の勧めもあって沖展に出品。作品名は、耳からの情報を基に目のピントを合わせる自身の見え方から最近になって名付けた。

 入賞し、創作意欲が戻ってきた。現在はクレヨンを使ったカラフルな絵を描いている。「障がいがあっても自己表現はできる。同じような境遇にある人を勇気づけたい。来年も出展する」と力強く語った。