2004年8月13日昼、普天間飛行場を飛び立った同基地所属の米海兵隊大型ヘリCH53Dが沖縄国際大学に墜落し、炎上した。事故から、あすで13年になる。

 当時、多くの人びとが口にしたのは「最後の警告」という言葉だった。あれから、何がどう変わったのだろうか。

 オスプレイは昨年12月、夜間の空中給油訓練に失敗し、名護市安部の海岸に墜落、大破した。

 5日には普天間飛行場所属のオスプレイが、オーストラリア東部沖で揚陸艦への着艦に失敗し海上に墜落した。乗員3人が亡くなっている。

 約8カ月の間に、深刻さの度合いが最も高い「クラスA」の重大事故が、2度も発生したのである。

 最近目立つようになったのは、夜間のパラシュート降下や低空旋回飛行、物資つり下げなど危険度の高い訓練を、自治体や住民の中止要請を押し切って強行するケースだ。

 警告音は今も鳴り続けている。

 県民が声を上げ、基地沖縄が抱える構造的欠陥を指摘し、「最後の警告」を発し続けなければ、状況を変えることはできない。

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 名護でオスプレイが大破したとき米軍は、6日後に飛行を再開し、事故原因が特定されないまま、1カ月もたたないうちに、夜間の空中給油訓練に踏み切った。

 今回のオーストラリアでの事故について防衛省は当初、米軍に飛行自粛を要請していたが、11日になって態度を一変し飛行再開を容認する、と発表した。

 航空機騒音規制措置や在日米軍の環境順守基準を定めた日本環境管理基準(JEGS)、日米環境補足協定などには共通の構造的欠陥がある。

 米軍の活動に一定の制約を課しつつ、「米軍の運用を妨げることなく」とか「在日米軍の任務に支障をきたすことなく」などのただし書きをつけていることだ。

 「運用上の所要のために必要と考えられるもの」や「任務により必要とされる場合」などの表現で抜け道が用意され、事実上、基地の自由使用が保障されているのである。

 環境管理基準には騒音に関する項目もない。

 司法は、基地を提供している政府に違法な爆音を差し止める権限はない、との第三者行為論を維持したままだ。

 伊江島ではオスプレイ配備後、騒音回数(真謝地区)が急増した。LHDデッキ(着艦訓練施設)の改修工事が完了し、近い将来、横田基地に米空軍のCV22オスプレイが配備されれば、伊江島などが訓練地として利用されるのは確実だ。

 海兵隊のMV22とCV22オスプレイの夜間訓練が常態化するおそれがある。

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 基地沖縄の構造的欠陥は、住宅地と演習場が隣接していることである。海兵隊が訓練するには沖縄の演習場はあまりにも狭すぎる。

 辺野古に新基地が建設されれば、いずれ日米の共同使用基地となり、ほとんど未来永劫(えいごう)、基地として使われ続けるだろう。基地負担が中部から北部にシフトするのだ。

 最高裁は、前知事が行った埋め立て承認を適法だと判断した。これによって政府は辺野古埋め立ての法的権限を得たことになるが、政治的正当性を得たわけではない。

 県民への説明責任を果たすことなく唐突に埋め立てを承認した前知事の行為は選挙公約にも反し、多くの県民の憤激をかった。県知事選、名護市長選、衆院選、参院選などで示された「辺野古ノー」の民意は、今も重い。

 名護市安部海岸で無残に大破したオスプレイの事故は、移設場所に関係なくいつどこでもオスプレイの事故が起きうる、ことを示している。

 普天間飛行場の危険性除去は何より優先すべきであるが、辺野古に代替施設を造れば事故は起きないと考えるのは根拠のない幻想である。

 基地沖縄の構造的欠陥に本格的にメスを入れない限り、事件事故の連鎖を止めることはできない。12日午後2時から奥武山陸上競技場で開かれる県民大会(オール沖縄会議主催)を新たなうねりを作り出す第一歩としたい。