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  • 官房長官がこれまでの姿勢を一転させ、知事と会談の意向
  • 世論の反発を懸念、沖縄訪問で低姿勢をアピールする狙い
  • 知事は新基地反対の立場を主張する意向で、溝が埋まる様子はない

 翁長雄志知事との面会に応じてこなかった菅義偉官房長官が一転、1日の会見で4日にも会談する意向を示した。政府は名護市辺野古への新基地建設に理解を得たい考えだが、翁長氏は「(新基地反対という)私の考えをしっかりと説明する」と県の立場を主張する意向で、溝が埋まる様子はない。そんな中での政府側からのアプローチは、辺野古をめぐる世論の批判から逃れるための国の“先手”との見方も浮上している。(東京支社・大野亨恭、石川亮太、政経部・銘苅一哲、大城大輔)

菅官房長官との初の会談に向けて記者の質問に答える翁長雄志知事=1日午後、那覇市・知事公舎前

 「今聞いた」。キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の跡地利用に関わる県企画部の幹部らは1日夕、報道陣から菅氏来県を知らされ驚きを隠せなかった。

 まさに急転直下の電撃会談-。だが、政府関係者は4日の会談は「既定路線だ」と否定する。

 「西普天間の返還は負担軽減の象徴。これほど政府のPRに適した時期はない」。政府関係者は、以前から西普天間の式典へ菅氏が参加する予定が組まれていたことを明らかにした。

 関係者によると、翁長氏との面会をめぐり与党内からも政府の対応を疑問視する声が出始め、首相官邸は「6月の慰霊の日まで引っ張れば、国会論戦がもたない」(政府高官)と早期の会談が必要との判断に傾いた。

■「政府の土俵に」

 さらに、官邸は岩礁破砕許可の取り消しをめぐり県と政府が対立したことで、政府への世論の批判が強まってきたことを警戒する。

 政府関係者は「今は政府と会わない方が『政府が悪く、県は被害者』との構図がつくりやすい。県はそこを見据え、今はあえて政府と接触しないようにしている」と指摘。「そんな中、逆にこちらから出向いて会う。つまり政府の土俵に県を引きずり込むということだ」と会談の狙いを語る。

 別の政府関係者は、菅氏が翁長氏と沖縄で会談する意義を強調する。「東京に呼び寄せて会うよりも、沖縄に足を運ぶことで地元に寄り添うとした政府の姿勢を示すことができる」と指摘。「丁寧に進めようとする菅氏らしい」と語った。

■首相訪米を意識

 「会いに来ることは一向に構わない。だがたとえ会っても議論は平行線だ」。県幹部は菅氏来県の一報を冷静に受け止めた。

 県議会与党会派代表者の一人も「岩礁破砕をめぐる沖縄防衛局、農相の茶番の一方、知事にも会わない状況に本土でも政府の『沖縄いじめ』への批判が高まっている。マイナスイメージを払拭(ふっしょく)したいだけだろう」と分析する。

 与党幹部の一人は「月末にも訪米する首相がオバマ大統領に地元へも説明していると伝えるためでは」と予測。同時に、会談後も政府の辺野古推進の姿勢は軟化しないと述べ皮肉った。

 「負担軽減担当相が負担を押しつけにくるだけだ」