赤ちゃんとその母親が学校や福祉施設を訪問し、命の大切さや子育ての知恵を伝える「赤ちゃん先生プロジェクト」の活動が沖縄県内で始まった。5組の親子らが4日、高齢者福祉複合施設しきなガーデン(那覇市)内のデイサービスセンターせんりょうを訪れ、約50人の利用者と触れ合った。運営メンバーは「賛同する多くのママ講師を募り、県内の学校や施設への訪問を増やしていきたい」と参加を呼び掛けている。(学芸部・座安あきの)

「赤ちゃん先生」の訪問を受け、交流を楽しむ福祉施設の高齢者ら=那覇市・しきなガーデン

 赤ちゃん先生は2007年に発足した神戸市のNPO法人「ママの働き方応援隊」が子育て中の母親たちの社会参加を支援するために始めた。現在27都道府県に広がり、登録メンバーは約2300人。

 県内では今年6月に塗料卸販売の仲里ペイント(豊見城市)が受託事業者となった。0~3歳までの子を持つ母親5人とトレーナー6人でこの日、活動をスタートさせた。

 母親に連れられた赤ちゃんがフロアに集まった一人一人にあいさつすると、お年寄りらは満面の笑みで優しく声を掛け、手に触れたりあやしたりしていた。手遊び歌で交流し、最後は利用者から親子に手作りの布バッグがプレゼントされた。島袋光子さん(95)は「ひ孫に会えたようで、とてもうれしい」。神谷慶子さん(87)は「タイムスリップしたような気分で癒やされた。また来てほしい」と喜んだ。

 幼い子どもとの触れ合いを通して元気をもらえるだけではない。「認知症の症状が緩和する効果があることが良く分かった」と同センター管理者の宮城達也さん(34)。普段会話や表情のない人が笑顔で赤ちゃんをあやす姿や、歩き回ることが多い人がじっと座って赤ちゃんが近づくのを待つ様子などが見られたという。

 赤ちゃん先生は小学校から高齢者施設まで幅広い訪問先に対応できるプログラムを用意している。ママの働き方応援隊沖縄校代表の新里亜也子さん(53)は「小中学校では命の大切さを伝え、いじめにつながる空気をなくす。高校や大学では出産や育児などと、仕事とのバランスなどを考えるきっかけを提供できる」とアピールした。

 企業や団体からの協賛金を募って運営し、ママ講師は謝金を得ながら活動する仕組み。協賛企業に対しては全国に展開するメンバーのネットワークを生かして、商品の広報活動やイベント企画などにも協力できる。

 ママ講師や協賛に関する問い合わせは携帯090(1940)3366、メールアドレスは、okinawa@mamahata.net。