菅義偉(よしひで)官房長官は4日、翁長雄志知事の就任後初めて沖縄を訪れた。キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の返還式典に出席後、米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設について「(普天間の)危険性を除去して、固定化を避けることが19年前の日米合意の原点」と述べ、推進する考えを示した。逆に翁長知事は普天間飛行場が建設された歴史をひもとき、「銃剣とブルドーザーで(米軍に土地を)強制接収されたことが原点だ」と反論した。両氏は5日午前、翁長知事就任から117日目で初めて会談する。

並んで式典に出席する菅義偉官房長官(左)と翁長雄志知事=4日午後、キャンプ瑞慶覧・西普天間地区

 菅氏は宜野湾市内で記者団に「まさにこの市街地の中に位置し、住宅や学校が密集している」と指摘。「世界一危険なこの飛行場の危険除去というのは一日も早く行わなければならない。日米同盟の抑止力の維持、そして危険除去を考えた時に、唯一の解決策と思う」と語った。

 県内移設前提の返還では負担軽減にならないのではと問われ、負担軽減担当相を兼務する菅氏は「抑止力維持と危険除去という形の中で沖縄県と名護市の同意をいただいた」と繰り返した。さらに空中給油機を山口県の岩国基地へ移転したことなどを取り上げた上で「辺野古は海上で騒音対策もゼロと言われている。大幅に負担は減ってくるだろう」と話した。

 菅氏は同日午前に沖縄入り。糸満市の国立沖縄戦没者墓苑に参拝し、平和の礎を視察した。その後、自民党県連大会の懇親会に出席し、あいさつした。

 西普天間住宅地区の返還式典では、同地区の跡地利用を政府として積極的に支援する姿勢をみせる一方、「忘れてはならないのは市街地に位置し、周囲を住宅や学校に囲まれている普天間飛行場の1日も早い危険除去だ」と述べ、新基地建設に反対する翁長知事をけん制した。

 翁長知事はあいさつの中で普天間問題には言及しなかった。両氏は式典前や式典中に、言葉を交わす場面もあった。菅氏は同日夜、那覇市内のホテルで、安慶田光男副知事や仲井真弘多前知事、経済界の関係者らと相次いで会談した。