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  • 菅氏は、知事との会談を前に安慶田副知事と会い情報収集
  • 「民意を確かめるため」に仲井真前知事や保守系首長とも会談
  • 「反対一色ではないと主張するための実績づくりか」と県は懸念

 昨年12月の翁長雄志知事就任後、初めて来県した菅義偉官房長官は4日、西普天間住宅地区返還式の公務以外に、自民党県連大会懇親会や仲井真弘多前知事や安慶田光男副知事との面会など、政務の非公式日程を詰め込んだ。5日の翁長知事との初会談に備えた情報収集の一方、「蜜月」関係を築いた仲井真氏や保守系首長らと面会することで、政府の移設方針に真っ向から反対する「民意」だけではない、と確認したい思いも見え隠れする。(政経部・比屋根麻里乃、吉田央)

沖縄知事就任以後の動き

沖縄知事就任以後の動き

 4日午後4時半。菅氏の宿泊先のホテルに用意された一室で、返還式典から戻った菅氏が向き合った相手は安慶田光男副知事だった。

 名護市辺野古への新基地建設をめぐり、一貫して反対と阻止を訴える翁長県政の考えを探るべく、事前の面会を打診したのは菅氏。多くの報道陣が待機するホテルで人目を避けて個室を指定し、約1時間話し合った。

 辺野古が唯一の解決策として移設作業を進める政府に対し、移設反対の方針は譲れないとする両者の考えが近づく状況にはないものの、菅氏にとっては翁長知事の腹を探る重要な機会だった。

 返還式典への出席前、同じホテルで昼食をともにした県市長会会長の古謝景春南城市長、佐喜真淳宜野湾市長にも名護市辺野古への移設を粛々と進める政府の方針を説明。複数の面会に、自民党関係者は「昨年の知事選後の『民意』とは何かを自ら確かめるため」と菅氏のねらいを解説する。

 翁長氏の就任後、面会に消極的だった菅氏が沖縄訪問を突然決めて発表したことに、県側は「統一地方選を控え、政府側が面会拒否を続けているというマイナスイメージが広がることを懸念したのではないか」(県幹部)とみる。

 来県前日の記者会見で、菅氏は新基地建設への県民の賛否の割合に「分からない」と回答。昨年の県知事選や衆院選で移設反対の候補者の当選が反対の県民民意を示したとは言えないとの認識を示している。

 翁長知事との初会談に注目が集まる中、先に仲井真前知事らとも面会したことに、政府のアリバイ作りを懸念する声も漏れる。

 「『沖縄に行って話は聞きました。知事は新基地反対だが、反対ばかりではありませんでした』という実績づくりに利用されなければいいが」(同幹部)