トランプ米大統領の発言が波紋を広げている。「世界中でグアムとあなたが話題になっている。金をかけずに観光客が10倍になる。おめでとう」

▼グアムのカルボ知事が、北朝鮮のミサイル発射計画を受けた電話会談の内容を公開。知事サイドは「我々は昼夜、何も起きないように祈っている。全く良い宣伝ではない」と大統領の軽口を批判した

▼グアム当局は冷静な対応を呼びかける一方、緊急時の行動指針を発表。身を守る方法などを住民に周知した。スーパーでは水やドライフルーツ、肉の缶詰といった保存食がよく売れているという

▼グアムを訪れる観光客の半数以上は日本人。地元の業者からは、修学旅行や社員旅行など観光客の減少を心配する声が出ている

▼出撃拠点の空軍基地や軍港を抱え基地収入に頼っていた経済は、今や観光がけん引している。両国の駆け引きが長期化すれば、地域経済全体に悪影響が及びかねない。改めて「観光は平和産業」という言葉を思い起こす

▼地元紙によると、グアムの先住民は「米軍基地があるという理由で狙われている。もし、トランプが戦争を始めたら、島の住民の同意なしに基地強化が進められるだろう」と訴えている。超大国のリーダーには米本国だけでなく、基地周辺住民の不安に配慮した理性的な対応が求められている。(知念清張)