2014年国民健康・栄養調査によると、食物繊維の1日の目標摂取量(18~69歳)は男性20グラム以上、女性18グラム以上です。しかし実際の摂取量は男性15・1グラム、女性14・4グラムと不足し、摂取を推奨されている栄養成分の一つです。食物繊維は腸の働きを助けることが知られていますが、ほかにも良い作用があることを知っていますか? 

 食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は野菜、芋、穀類やキノコなどに多く含まれ、白米にも含まれています。働きとしては便の量を増やし腸の動きをよくします。ダイエットでお米を減らすと便秘しがちになる人もいるでしょう。一般的に食物繊維といえば不溶性食物繊維のことを想像すると思いますが、今日は水溶性食物繊維について、少し詳しく説明したいと思います。

 水溶性食物繊維は大麦や全粒小麦などの全粒穀物に多く含まれています。水溶性食物繊維を摂(と)ると、いろいろな疾患の死亡率が低下することが報告されていますし、穀類からの食物繊維摂取が糖尿病の発症リスクを25%減らしたという研究結果もあります。

 β(ベータ)グルカンという水溶性食物繊維には、糖の吸収を抑え血糖値の急上昇を防ぐ作用、脂肪の吸収を抑える作用、腸内細菌の餌になり腸内環境を整える働きが報告されています。腸の環境が整うことで免疫力がアップし、脂肪と血糖の吸収を抑えることで内臓脂肪を減らす効果が期待されます。また朝食に水溶性食物繊維をとることで、その効果が昼食まで持続し血糖値の上昇が抑えられる「セカンドミール効果」もあります。血糖値の上昇が抑えられる事でインスリン分泌も緩やかになります。つまり糖尿病の予防につながると考えられるのです。

 水溶性食物繊維が多く含まれる食品の代表が大麦です。白米には水溶性食物繊維は含まれていないので、水溶性食物繊維をおいしく効率よく摂取するために、麦ごはんをお勧めします。大麦には白米の約5~6倍の不溶性食物繊維と、100グラム中7~9グラムの水溶性食物繊維が含まれていて、大麦を30%混ぜることで摂取できる食物繊維は約5倍に増えるといわれています。体重コントロールのため低糖質ダイエットを実践する方が増えています。低糖質ダイエットでは穀類摂取量が減りますので、特に水溶性食物繊維不足に陥る可能性があります。必要な栄養素は上手に摂取して、健康を維持してほしいと思います。(玉城祥乃 名嘉村クリニック)