入園式シーズンだ。新しい教室で、新しい先生と友達に囲まれて、新しい生活が始まる。

 どきどきわくわくの子どもとは別に、新年度からスタートした「子ども・子育て支援新制度」に戸惑っている保護者も少なくない。幼児教育や保育の仕組みが大きく変わる節目の年に、沖縄では「5歳児保育」の問題も再燃している。 

 国の新たな子育て制度は、深刻化する待機児童解消のための保育の受け皿整備を柱とする。保育所と幼稚園の二つの機能を持つ「認定こども園」の普及、待機児童が多い0~2歳児向けの小規模保育の拡充に力を入れるほか、親がパート勤務や求職中でも保育所を利用できるように対象を広げる。

 「待機児童の解消がどれだけ進むのか」「本当に使いやすい制度なのか」は今後の検証が必要だが、沖縄に限っていえば新制度への移行で、幼稚園児の学童保育利用が認められなくなり、5歳児保育の問題があらためてクローズアップされている。

 米軍統治による保育行政の立ち遅れから、小学校に併設された公立幼稚園が5歳児の受け皿となり、逆に保育園の5歳児枠が少ないという沖縄特有の問題である。

 共働き家庭なのに午前中は幼稚園に通い、午後は引き続き幼稚園の預かり保育や学童保育を利用するという子が県内では珍しくない。

 その結果、子どもや保護者に「二重保育」の負担を強いている。

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 昨夏、本紙が実施した調査で、幼稚園に通う5歳児のうち、預かり保育や学童などの利用者が全体の6割近くに上った。本来であれば保育園の5歳児枠で対応しなければならないケースである。

 幼稚園児の学童利用打ち切りで、県内市町村が新年度から取り組むのは、主に預かり保育の拡充と認可保育園の5歳児枠の拡充の二つだ。どちらを重視するかは自治体によって異なるが、預かりの拡充だけでは不十分であることを指摘しておきたい。 

 行政はよく「5歳児保育のニーズがない」という。本当にそうなのか。「5歳児保育がないため、公立幼稚園に通わせている」との保護者の声を聞く。

 午前と午後で指導者が代わる環境や、幼稚園の「時間外」の活動とされる預かり保育の質的課題も示される。 

 子どもの育ちに関わる大事な問題だ。受け皿があればどこでもいいというものではない。  

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 児童福祉法24条は、保育の必要な子どもに対し、市町村が保育を保障するよう規定している。子育て支援新制度では、地域の実情に応じた保育・教育サービスの提供が求められている。

 5歳児保育の問題は沖縄の戦後史を背景にしているとはいえ、ここまで放置してきた行政の責任は問われるべきである。全国一高い待機児童率とあわせ、先送りにはできない課題だ。

 子どもにとって今、何が必要かという視点で向き合ってほしい。