【東京】安倍晋三首相は8日のカーター米国防長官との会談で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「確固たる決意の下に進めていく」と述べた。政府が発表した。中谷元・防衛相とカーター米国防長官も同日、防衛省で会談し、「辺野古への移設が普天間の継続的な使用を回避するための唯一の解決策だ」として引き続き新基地建設を進める方針を確認した。一方、中谷氏は会談で県の要請に基づき政府が努力を約束した普天間の「5年以内の運用停止」は求めなかった。

会談を前にカーター米国防長官(左)と握手する安倍首相=8日午後、首相官邸

 会談後の共同記者会見で、中谷氏は普天間の固定化は避けなければならないと強調、新基地建設について「環境保全に万全を期した最適の方法で作業を進めていく」と述べた。カーター氏も「地元住民への負担も意識しつつ進めることを約束している」と語り、日米で辺野古移設を進める方針を強調した。

 会談で両者は沖縄の基地負担軽減に取り組む意向を重ねて強調。カーター氏は在沖海兵隊のグアム移転について「大きな一歩だ」と指摘。「米国のできることはやりたい」と述べ負担軽減へ前向きな姿勢を見せた。中谷氏も頻発する米軍機からの部品落下事故について住民への配慮を求めた。

 一方、会談で新基地建設に反対する沖縄の民意については両者とも明確に触れなかった。カーター氏は会見で辺野古問題で政府と県が対立する現状を問われたが「日本政府の努力に感謝している」とし、翁長雄志知事や沖縄側の民意に対する言及を避けた。

 中谷氏は同日夕の臨時会見で、会談では5年以内の運用停止は求めなかったことを明らかにした。県と政府の対立については「日本政府の責任でやっていることだとお話しした」と述べ、詳細は語らなかった。

 カーター氏は同日午後、菅義偉官房長官とも会談したが、菅氏も5年以内の運用停止は求めなかった。菅氏は会見で、嘉手納以南の返還計画の前倒しを要請したと説明。5日に翁長氏と会談したことも伝えたことを明らかにした。