沖縄を含む全国の米軍施設などで環境省が1978年から毎年実施する環境モニタリング調査で、基地内の立ち入りが2014年度以降、認められなくなっていたことが19日、調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の情報開示請求で分かった。米側の意向とみられるが、環境省は「日米間の調整の結果で答えられない」とし、県内の調査を委託する県にも具体的な理由を説明していない。基地内の水質などを定期的に把握して異変を察知できる唯一の機会を失った格好で、県は立ち入りを再開するよう求めている。(社会部・篠原知恵)

米軍基地(資料写真)

 環境調査は、基地内の環境汚染を防ぐため全国で実施。基地内で最後の調査となった13年度は、県内で普天間飛行場や嘉手納飛行場など8施設・区域の計21地点が対象だった。年に1~2度、約半年かけて県が基地内の汚水処理施設や排水溝で水質を、環境省がボイラー施設でばいじんなどの大気質を調べ、環境基準に適合しているか確認した。

 だが、日米合同委員会の下部組織・環境分科委員会で基地内立ち入り調査の計画が却下された14年度以降、県は基地周辺の河川などでサンプルを採らざるを得なくなった。環境省を通し継続調査を求めているが、認められていない。

 また、大気質調査は中断。結果を基に基地内の環境保全策を協議し、基準超過があれば対策を申し入れていた米軍関係者との担当者会議も開かれなくなった。

 環境分科委メンバーでもある環境省水・大気環境局は本紙に「日米間の調整の結果、基地周辺での調査に変更した。どういう場でどんな議論があったかを含めて答えられない」と説明。県環境保全課は「基地内を含め県全体の環境をモニタリングするのが県の役目で、非常に重要な調査だ」としている。

 IPPの河村雅美代表は「基地内で定期的に調査できる権利を奪われたことが3年以上、国からも県からも県民に知らされていない。従来通りの文化財調査が認められなくなった15年の環境補足協定も含め、アクセスが制限され続けていることは問題」と語った。