パチパチパチパチ。「用意、始めっ」の声とともに、珠(たま)の音が一斉に響く。沖縄県浦添市伊祖の全国珠算教育連盟県支部(宮城忍人支部長)では、夏休みの子どもたち約20人が机に向かいそろばんをはじいていた。宮城支部長は「沖縄はそろばん人口が多く、最高位の十段合格者数も全国トップの珠算王国」と胸を張る。(社会部・川野百合子)

真剣な表情でそろばんに向かう子どもたち=浦添市伊祖・全国珠算教育連盟県支部

 2016年7月から今年6月までの1年間、同連盟主催の検定試験受験者数(延べ人数)を比較してみると、珠算受験者は全国平均8217人に対して、沖縄は4万1067人。暗算受験者も全国平均3669人に対し、沖縄は1万6615人と断トツで多い。

 また、最高位である十段の合格者総数は今年6月現在、珠算で173人、暗算で315人と全国トップ。珠算2位の広島県は108人、暗算2位の東京都は124人で、いずれも大差をつけている。

 同支部は「ほかの検定試験もあり、完全に比較することは難しい」と前置きした上で、電卓やパソコンの台頭で全国ではそろばんを習う子どもが減る中、沖縄はその減り幅が小さかったと分析する。

 宮城支部長は「地域によっては学童のような役割をそろばん教室が果たしている側面もある。塾や学校に通う前、勉強に向かう第一歩として教室に通わせる親も多い」と説明する。

 集中力や持続力が鍛えられるといわれるそろばん。4歳から習う森淑史さん(16)=沖縄尚学高2年=は、暗算、珠算、フラッシュ暗算の3種目全てで最高位十段を持つ。「最初は珠をはじくのが楽しいと感じ、上達してくると速く正確に計算できるのが楽しい。もっと速く、もっと正確に精度を上げていきたい」と力を込めた。