沖縄防衛局は、名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て工事で、浮標(ブイ)を固定するため海底に設置した大型コンクリートブロックによって94群体のサンゴが損傷していたことを明らかにした。

 埋め立て工事の環境保全策を検討する環境監視等委員会の第4回会合で防衛局が報告した。会合は非公開だったが、委員からは「サンゴ礁全体への影響は軽微」という声の一方で「サンゴへの影響を低減、回避できる措置があった」との意見も出たという。

 調査は防衛局が今年2月、コンクリートブロックが設置された周辺75地点で実施した。群体はサンゴの個体が集まって形成されたものだ。損傷があったサンゴのうち94%は直径20センチ以下で、防衛局は「問題はない」としている。

 ただ、会合後に取材に応じた中村由行委員長(横浜国立大大学院教授)は「丁寧に工事をすべきだとの意見は委員会の総意だ」と述べ、国の作業の進め方を批判した。

 今回の調査でコンクリートブロックによるサンゴの損傷が明らかになったが、防衛局による調査だけでは一方的で公平性に欠ける。

 県も許可区域外でサンゴが破壊されている可能性が高いとして、立ち入り禁止水域での調査を求めているが、米軍は県の申請を不許可としている。

 しかし、国の調査でサンゴの損傷が明らかになったことから、同じ行政機関である県の調査は不可欠だ。国は県の調査が早急に実施できるよう、米軍に働き掛けるべきである。

    ■    ■

 そもそも、国の環境監視等委員会は、2013年12月に仲井真弘多前知事が、辺野古埋め立てを承認する際、工事中の環境保全対策を担保するものとして国に設置を求めたものだ。

 辺野古埋め立て承認の留意事項には、工事中の環境保全対策、環境監視調査などについて詳細検討し、県と協議を行うことが明記されている。 委員会での国に対する批判は、防衛局が県との事前調整はおろか、委員会との十分な調整も行っていなかったことを裏付けている。

 これまで委員会をめぐる防衛局の対応は、極めて閉鎖的で透明性に欠けている。

 議事録が公開されるまで最長で約9カ月かかった。資料の改ざんも発覚した。基地建設を進める結論ありきの委員会の在り方に反発した副委員長が辞任の意向を示すなど、次々と問題が起きている。

 国の不誠実な対応が、この事態を招いているとしか思えない。

    ■    ■

 工事中の環境保全策を検討する委員会は国が設置したものであり、会議は非公開、法的強制力もない。

 大型コンクリートブロックの投下によって、辺野古の海には、実際にどれほどの影響が及んでいるのか。海草藻場への影響はどうか、サンゴの損傷は国がいう程度なのか、生態系への影響は本当に軽微なのか。第三者がチェックできる仕組みが不可欠だ。

 それは環境アセスメントの趣旨である「情報公開」と「説明責任」にも合致する。