政治家の発言に思わず、「あなたには言われたくない」と口走ることがある。自民党県連会長になった島尻安伊子参院議員が名護市辺野古で新基地建設に反対する抗議行動を「責任のない市民運動」と批判したときに、その思いにかられた

 ▼島尻氏は2010年7月の参院選で米軍普天間飛行場の県内移設反対を掲げ、再選した。公約を破って、辺野古移設を進める島尻氏の方が「無責任だ」と思った県民は少なくない

 ▼島尻氏が那覇市議時代、当時の市長の翁長雄志氏が「議会中、答弁者や質問者をまっすぐ見据える目に力がある」と評価していた。その目はいま安倍政権や自民党本部だけに向かっているようだ

 ▼07年参院補選の人選で、県連執行部と対立して保守分裂も辞さない覚悟で島尻氏を擁立したのは翁長氏だ。イメージカラーの赤のエプロンを共に身に着けて、選挙戦の陣頭指揮を執った。自らを国政に送った政治の恩人と島尻氏は新基地建設で対峙(たいじ)している

 ▼04年の那覇市議補選に民主公認で当選したのが島尻氏の政界デビュー。それまでも、市民中心の保革を超えた政治にかけた夫・昇氏の政治活動を支えた

 ▼キャッチフレーズは「台所から政治を変える」だ。民意を無視して新基地建設を強行し、過剰警備で市民を蹴散らすのが目指していた政治の原点かと問いたい。(与那原良彦)