読谷村座喜味の公民館で隔週土曜日朝8時から開かれる「まるみの朝市」は今年10周年を迎える。自治会単位の息の長い活動の秘訣(ひけつ)を知ろうと昨日訪ねた

▼開所30分前に到着すると辺りはすでに香ばしい匂いでいっぱい。公民館の調理場では早朝から出ている波平フミさん(84)ら4~5人が豆腐や揚げ物作りに汗を流していた

▼地元で採れる新鮮な野菜のほか、カタハランブー、玄米ごはん、漬物、そら豆みそ…。加工品の調理をはじめ、客の対応など運営を支える多くが80~90代の女性たちと聞いて驚いた

▼代表の島袋和枝さん(66)は若手の一人。「昔からの作り方そのままを再現している」と朝市の食の魅力を話す。その食を囲み弾んでいたのが、女性たちと地域の人々との会話だった

▼「大きくなったね」「村史に座喜味のことが書いていて…」。あちらこちらで交わされる話題は実に豊富だ。波平安さん(88)は「忙しいこの人に会うとね、元気?と聞かずに、今日のスケジュールは?と尋ねるんだよ」と友人の真栄田悦子さん(93)の達者ぶりを紹介し、周囲の笑いを誘っていた

▼10年間ほぼ毎回参加し人の輪を見守ってきた比嘉光雄区長は、朝市の人気の理由を「女性たちの存在」と明かす。時間を忘れて楽しんだひとときは、その言葉に納得するのに十分だった。(黒島美奈子)