【宜野湾】ブラジル・サンパウロ州在住で沖縄県系3世の染織家パトリシア・サユリ・ホカマ・フォガサさん(28)の染め物展が宜野湾市真栄原のギャラリー「PIN-UP(ピンナップ)」で開かれている。県内では初の開催。地球の裏側から遠い故郷を思う1世、2世たちの気持ちと困難の歩みを、移民当時の写真を古い絹にプリントすることで表現した。「家族を故郷に連れてきた思いだ。沖縄での個展開催に感激している」と感慨深げに話す。

移民した祖父らの故郷への思いを表現した染め物展を開いているパトリシア・サユリ・ホカマ・フォガサさん(右)と遠縁でギャラリーオーナーの許田盛哉さん(左)=宜野湾市真栄原・ギャラリーPIN-UP(ピンナップ)」

 サユリさんの母方の祖父で南城市知念出身の外間盛榮さん(91)は1935年、9歳のときに母親とともにブラジルに渡った。サユリさんは3年前に自分のルーツを追い求めて初来県し、沖縄ブラジル協会の協力を得て、親せきと会う願いがかなった。その際に遠い親せきにあたるギャラリーオーナーの許田盛哉さん(28)と知り合い、個展にこぎつけた。

 テーマは「raiz tronco afeto」。ポルトガル語で「根」、「木の幹」、「希望」を意味し、サユリさんは「根や木の幹にあたる祖先が、子孫の幸せを願う気持ちを込めた」と説明する。

 多彩な20点ほどが並ぶ。写真のプリント以外には藍やカラフルな色を絞り染めした浴衣などもあるが、いずれも古い生地が多い。「古くなった生地は困難や苦労、喜びを歩んだ移民の傷である。その歴史的な流れを踏まえた」

 ファッションブランド「KENZO」を設立したデザイナー高田賢三さんが、サユリさんを紹介した動画も会場で流される。世界的な香水メーカーの宣伝ビデオで、ブラジルの数人のアーティストの一人に選ばれたものだ。

 個展は27日まで午後1~8時。入場無料。問い合わせは許田さん、電話090(2339)2499。