【石垣】石垣島で3月に国内初の繁殖と巣立ちが確認されたカタグロトビが、その後も繁殖を続けていることが分かった。8月に幼鳥3羽の巣立ちを確認した「石垣島フィールドガイドSeaBeans」の小林雅裕さん(42)は「脅威的な繁殖力で、食欲も旺盛。島の脅威になりそうな気がする」と懸念している。

石垣島で生まれ、巣立ったカタグロトビの幼鳥3羽=16日(小林雅裕さん撮影)

 離れた場所から観察する小林さんによると、3月に巣立った幼鳥の親である成鳥2羽が、4月に交尾、営巣などの繁殖行動をしたが、オサハシブトガラスに襲われ、5月中旬に失敗。

 6月に再び繁殖行動に入り、8月初旬からひならしき声が聞こえ、8月15日までに巣立ちした幼鳥3羽が枝に並んでいるのを確認した。成鳥はネズミの仲間のほか、今回はシロハラクイナなどの野鳥を捕獲して幼鳥に与えていたという。

 島内には成鳥2羽と3月巣立ちの若鳥1羽、8月巣立ちの幼鳥3羽が生息するとみられる。

 カタグロトビは国内では先島諸島で数例しか確認されなかった迷鳥。台湾で珍鳥だったが、1998年の初記録後に増加、定着し、現在台湾での生息数は400羽。県内ではリュウキュウツミと生息場所やえさが重なるなど、競合する恐れがある。

 小林さんは「この繁殖は喜ばしいことではない」と話した。環境省の石垣自然保護官事務所は、現時点で調査や情報収集などを実施していないとしている。