【多良間】東日本大震災の津波で宮城県南三陸町から流出し、約4年の年月をかけて2千キロ離れた多良間島の南海岸の浜に打ち上げられた漁船が、多良間村民俗学習館で常設展示・保存されている。

震災の悲劇を伝えるため展示・保存された「日正丸」=多良間村民俗学習館

 打ち上げられた漁船「日正丸」が発見されたのはことし1月25日。村づくり課は船の持ち主を調査し、宮城県南三陸町の日野正子さん(71)にたどり着いた。船は震災前に病気で他界していた夫の正司さんの船と判明。1月25日の発見日は正司さんの命日だった。

 漁船は運送費用が掛かるなどの理由で正子さんが所有権を放棄したことから、震災の悲劇を伝える資料として、村の民俗学習資料館に保存されることになった。

 学習館の職員、富盛裕香さん(47)は「震災の悲劇の歴史を伝えるため、4年の年月をかけて島にたどり着いたこの船の歴史を多くの人に学習館に来て見てもらいたい」と呼び掛けた。(長岡秀則通信員)