シネマ沖縄(那覇市)は22日、那覇市の県立図書館で会見し、1932年の沖縄の風景を収めた記録映画のフィルムを発見し、復元したと発表した。ハワイ移民の渡口政善氏=本部町出身=が、現地の県系人に見せるために制作したと思われ、62年に沖縄で公開された後、行方が分からなくなっていた。同社の真喜屋力プロデューサーは「戦前の沖縄を知る貴重な資料。制作背景など詳しい情報を集めたい」と話している。

名護町の通り(シネマ沖縄提供)

那覇市役所から写した市内の景色(シネマ沖縄提供)

比謝川と嘉手納町の製糖工場につながる橋(シネマ沖縄提供)

名護町の通り(シネマ沖縄提供) 那覇市役所から写した市内の景色(シネマ沖縄提供) 比謝川と嘉手納町の製糖工場につながる橋(シネマ沖縄提供)

 映画は「沖縄縣(けん)の名所古蹟(こせき)の實況(じっきょう)」のタイトルで、約14分のモノクロ作品。当時、東町にあった那覇市役所から写した市内の全景や、嘉手納町の比謝川、本部町の渡久地港など85年前の沖縄の風景が収められている。1933年にハワイで初上映された。

 62年に琉映本館と桜坂琉映でも上映されたが、その後は存在が忘れられ、フィルムの保管場所も分からなくなっていた。

 昨年、シネマ沖縄の真喜屋プロデューサーが元琉映本館だった桜坂劇場の倉庫でフィルムを発見。

 劣化が激しく修復はできなかったが、琉球朝日放送(QAB)と沖縄テレビ(OTV)がスクリーンを撮影した収録テープを持っていることが分かり、シネマ沖縄が両社のテープをつなぎ合わせて編集した。

 ほぼ全編を復元できたものの、一部映像が途切れており、正確な撮影場所が特定できない場面もある。

 今後は県立図書館の協力を得て、9月にハワイで開かれる沖縄フェスティバルで上映するなど、同作品を鑑賞したことがある人や制作関係者などを探す。県内でも本年度内に上映会を開く予定という。情報提供はシネマ沖縄、電話098(857)5533まで。