◆沖縄労働局「残業代未払いの逮捕、平成で初」

 沖縄労働局は22日、書籍やオフィス用品販売の「安木屋」(那覇市)が従業員11人に対し、2年間で計500万円以上の残業代を支払わなかったとして、同社社長と「那覇一銀通り店」店長の2人を労働基準法違反の容疑で逮捕した。24日にも那覇地検へ送検する見通しだが、同局は詳細を公表していない。

営業中の安木屋一銀通り店=22日、那覇市牧志

 同局によると、安木屋は企業が労働者に時間外労働をさせる場合に必要な労使協定(三六協定)を結ばずに従業員を残業させ、その分の割増賃金も支払っていなかった疑いがある。22日午後、同局の労働基準監督官が安木屋の事務所と一銀通り店内を捜索し、2人を逮捕した。

 残業代未払いなどでは通常、改善を求める是正勧告などの行政指導が行われるが、今回は「悪質性から司法処分が適当」と判断し、逮捕に踏み切ったという。同局は残業代未払いによる県内の逮捕事例について「平成(1989年~)になってから初めて」と説明している。 安木屋は1954年に創業した書籍や文房具、オフィス用品販売の老舗。逮捕についてのコメントは出していない。

◆老舗店舗に動揺 

 沖縄労働局が労働基準法違反の疑いで、書籍やオフィス用品販売の老舗「安木屋」の社長と那覇一銀通り店長を逮捕した22日、同店は通常営業し、買い物客が出入りしていた。午後6時57分に最後の客が店を出るやいなや、店員は足早に出入り口に駆け寄り、「閉店」の看板を設置していた。

 2階にいた店員に話を聞くと、「1階にいる者に聞いてもらってもいいですか」と動揺した様子だった。1階にいた店員は「きょうは店長不在で、自分が現場を見ている」と話したが、「社長と店長は逮捕されたか」と尋ねると、「それは、店内の者には伝わっていない」と述べ、明確な返答を避けた。